一関・平泉

中尊寺散策 弁慶が手助け 月見坂車いす体験会【平泉】

ボランティアの助けを借りながら杉並木が続く中尊寺月見坂を上る車椅子利用者

 中尊寺表参道の月見坂を車椅子利用者がボランティアの助けを借りて一緒に上る「弁慶とともに登る中尊寺・月見坂車いす体験会」は5日、平泉町の同寺で開かれ、車椅子利用者とボランティアが活動を通して境内の観光や散策を楽しんだ。

 勾配が急なため車椅子の利用が困難な月見坂を、ボランティアが適切な介助を行うことで安全に上り一緒に境内の散策を楽しもうと、町社会福祉協議会と県南広域振興局保健福祉環境部が主催。5年目を迎えた今回は、車椅子利用者5人を含む72人が参加した。

 月見坂入り口に近い中尊寺第2駐車場で行われた開会行事では、町社協の髙倉秀維会長が「急な坂ですが力を合わせながら上り、世界遺産の景色を楽しんでください」とあいさつ。山伏姿の武蔵坊弁慶に扮(ふん)した両磐地域まちづくり探検隊の神﨑浩之隊長の合図で一斉にスタートした。

 月見坂では車椅子利用者1人をボランティア5、6人が交代で補助し、車椅子のフレームに結び付けたロープを引きながら本堂前まで約550メートルの参道を約40分かけて上った。最も勾配が急な入り口から東物見台までの区間でロープを引いた大東高校3年の西城りょうさん(17)は「車椅子は平らな場所で使うように作られているが、補助する人同士が息を合わせて安全に上ることができた」と満足げに語った。

 本堂到着後は、金色堂や宝物館「讃衡(さんこう)蔵」の見学など思い思いの時間を過ごしながら交流を深めていた。

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