花巻

勇壮、優雅な伝統の舞 早池峰神楽共演・花巻 大償、岳 ファン堪能

早池峰神楽共演で「年寿」などを演じた大償神楽
早池峰神楽共演で「潮汲」などを披露した岳神楽

 花巻市大迫町に伝わる岳神楽と大償神楽による第11回「早池峰神楽共演」(内川目コミュニティ会議主催)は6日、同町内川目の大迫労働安全衛生推進施設で行われ、勇壮、優雅な伝統の舞が県内外の神楽ファンの心を躍らせた。

 早池峰神楽は同町内川目に伝承される岳と大償両神楽の総称で、500年以上の歴史を誇る。同イベントは、早池峰神楽が2009年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたのをきっかけに保存や伝承について考え、魅力を知ってもらう機会にしようとスタート。今回は登録10周年記念と銘打って開催され、来場者に記念品が配られた。

 大償神楽の鳥舞、鐘巻、岳神楽の岩戸開、龍殿と幕を張り替えながら両神楽が交互に舞う形で進められ、締めくくりの岳神楽の権現舞まで計9演目を披露。共演するのは貴重な機会とあって、来場者は舞台を囲んだござや椅子に腰を下ろし、それぞれの舞ぶりや装束などを見比べながら間近に繰り広げられる迫力の舞を堪能した。

 毎年訪れているという同町大迫の小野和子さん(84)は「岳はスピード感、大償は上品さが魅力で、いずれも他の神楽にはない。世界の宝であり、地元の誇り」と見入った。同会議の佐々木一夫会長は「秀峰早池峰の懐で育み、受け継がれてきた神楽は町場とまた違った味わいがある。この場所で私たちの絆が神楽を育てているということを感じてもらいたい」と話していた。

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