花巻

地域と共に 読者の声

思い出の新聞とパネルを置き将棋指導に当たる佐々木さん
思い出の記事を保存してきたスクラップブックを見る林さん

 現在の「岩手日日」が「夕刊いちのせき」として創刊されたのは1923(大正12)年2月26日。それ以来、「地域と共に」という揺るぎない姿勢で新聞を発行し続けてきました。令和元年の新しい年に、新しい新聞制作システム(CTS)の稼働を迎えます。新紙面スタートに、ご愛顧いただいている読者の皆さんに、岩手日日との思い出などを交えてもらいながら、新紙面に対する期待、要望を伺いました。

新聞に載るのが一番 花巻市東和町 佐々木孝雄さん(80)

 花巻市東和町で少年、少女の将棋指導に当たる佐々木孝雄さん(80)=日本将棋連盟東和まほろば支部=は、岩手日日新聞社が行っている読者サービス「掲載記事のパネル加工」利用の常連。これまでの申し込みは30枚ほどに上り、各回将棋大会の思い出と一緒に大切に保存している。「ノートに順位などはメモしてあるけれど、結果も含め新聞に載るのが一番。子供たちに見せる時にもいい」と笑顔で話す。

 地域に根差した指導者として、旧県立東和高校の生徒を全国大会に導いたり、学童クラブでの指導で競技人口増に貢献したりと活動の幅は広く、長い。そんな活動にきめ細かく対応するローカル紙の姿勢に「これだけ(取材に)来てもらえるのだからありがたいよ。新聞を見て『行ってみようか』と考える子供、親もいるんだから」と感謝する。

 若者が将棋に取り組む意義を問うと「頭を使うことを覚え、勉強ができるようになる子が多い」と即答。新聞報道を通じて保護者の注目が集まる点にも言及しつつ「いろいろ事情があるだろうけど、将棋の記事にも、もっと大きな見出しが付けられればいいね」と注文も忘れない。

 同支部主催の世代間交流将棋大会は、12月で35回の節目。記念の大会を報じる新聞記事パネルも、もちろん注文するつもりだ。

新時代に期待寄せる 花巻市愛宕町 林正文さん(83)

 花巻市愛宕町の妙円寺住職林正文さん(83)は、同市で岩手日日が購読できるようになった当時からの愛読者。「地域、花巻のことを大きく取り上げてくれる。歴代の記者さんにもいい人がたくさんいた。いま日日さんのビル(中部支社ビル)がある場所には昔お菓子屋があって、随分はやっていたものだよ」などと懐かしむ。

 少年時代に花巻空襲を経験し、父親は中国で戦病死した。そんな経験もあって世界平和を求める思いは強く、住職の傍ら「憲法九条を守る市民の会」代表や「日本ユニセフ協会花巻友の会」会長としての活動にも注力してきた。

 その時その時で紙面は変わりつつも、それらをきめ細かく取り上げてきたのがローカル紙。「私たちがしていることを認め、受け止めてくれる。すごくありがたいと思っている」と話す。気になる記事を保存してきたスクラップブックも今ではかなりの数だ。

 最近の新聞には、悲惨な事件を伝える記事が多いと感じている。「豊かさの陰で子供たちが犠牲になり、世の中どうなっているんだと思う。人間関係のぬくもりがなくなってきている」と憤り「皆の命を守る活動を展開していくため報道は大切。そして気骨ある記者がいることも大事だ」と、新たな時代の新聞にも期待を寄せる。

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