北上・西和賀

キオクシア新製造棟完成 北上

完成したキオクシア岩手の新製造棟

 東芝メモリから改称した半導体大手・キオクシア岩手(北上市北工業団地、米倉明道社長)の新製造棟が完成した。10日には現地で準備作業、今後の生産開始に向けた安全祈願祭が行われ、出席者が新社名の下で決意を新たにした。2020年前半には、記憶量が大きい3次元フラッシュメモリの量産開始を計画。最終的に総投資額1兆円を超すビッグプロジェクトが始動する。

【2面に関連】

 新製造棟は敷地面積約15万平方メートル、高さ約50メートルの鉄骨造り5階建て。延べ床面積は約20万平方メートルで、キオクシアの製造棟としては三重県の四日市工場を含め最大規模となる。

 18年7月に着工し、ピーク時には1日当たり約2000人の作業員が工事に携わった。工事は順調に進み19年6月から設備機器の搬入、生産設備の立ち上げを進め、試作品作りを始めている。

 新製造棟ではデータセンター、スマートフォン、自動運転向けを中心に需要拡大が見込まれる3次元フラッシュメモリを生産。人工知能(AI)を活用した生産システム、省エネ設備を導入し、地震の揺れを吸収する免震構造を採用した。

 安全祈願祭にはキオクシア岩手をはじめ県、市、共同出資するウエスタンデジタル(WD)ジャパン、施工業者の関係者ら約50人が出席。米倉社長や保和衛副知事、髙橋敏彦市長、WDの小池淳義プレジデントらが玉串をささげた。

 新製造棟の建設費は約1000億円、設備面を含めた投資規模は1兆円を超える見通しで、キオクシアはWDと共同出資する。キオクシア岩手は現在、地元採用した従業員ら436人や四日市工場からの出向を含め800人余りの体制で生産ライン立ち上げの準備を進めており、来春には約900人体制となる。量産開始後、最終的には1000人以上の規模となる見込み。

 WDも技術者数十人体制で準備に当たっており、新製造棟でキオクシアと共同開発に携わる。

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