一関の野鳥284種 調査・記録冊子を発刊 地元愛好グループ 市教委に27冊寄贈
一関地方野鳥の会(千田典文会長)は、一関市内で見られる野鳥などを調査・記録した冊子「一関地方の野鳥」を発刊した。市教育委員会を通じて同市一関地域の小・中学校と市立図書館に27冊を寄贈し、学校教育や生涯学習に役立てられて地元の自然環境や保護活動に対する関心が高まることを願った。
「一関地方の野鳥」は新書判、フルカラー160ページ。▽野山の鳥▽水辺の鳥▽離島の旅鳥▽一関で野鳥に惹かれた男たち▽観察地で見ることができる主な鳥▽フィールドマップ▽バードウオッチング入門・用語解説-で構成されている。同会が1975年ごろに設立されてから40年余りにわたる活動の集大成として編集された。
紹介されている鳥は284種。会員が長年撮りためた中からえりすぐりの写真を掲載しており、木の枝で羽を休める姿、群れを成す様子などが美しい風景とともに生き生きと捉えられている。
観察地は釣山公園や蘭梅山、自鏡山など同市一関地域の野山が中心で、ほかに宮城県北の伊豆沼、東日本大震災前の南三陸海岸、さらに特別編として山形県の離島である飛島も含まれている。
また、一関地方で野鳥の愛護や研究で功績のあった先人として、東北屈指の酒屋「熊文」の17代目だった熊谷三郎さん、元高校教諭で市教委の郷土の文化シリーズ第4集で「一関の鳥相」について考察を発表した山本弘さん、同地方野鳥の会会長を長年務めた小岩勲夫さんを紹介している。
冊子の寄贈は千田会長と八重樫隆副会長が3日に市役所で行い、小菅正晴教育長が対応した。ページをめくった小菅教育長は「これだけの写真を集めるのは大変だったと思う。自然の中で実際に見たくなる。野鳥が好きな子供は地元の鳥を調べられる」と感謝した。
千田会長は「一関にこんな鳥がいるんだ、見てみたいと思ってもらいたい」と期待し、八重樫副会長は「一関の鳥を取り上げた本は、山本弘さんの『一関の鳥相』以来ないはず。活動記録を形あるものとして残せて良かった」と話している。
冊子は一般販売せず、入手希望者には一関プリント社=0191(23)4586=がオンデマンド印刷で対応する。
19~24日には同市大町のなのはなプラザで同会の写真展が開かれる。
