北上・西和賀

群生地ゆっくり観賞 「水芭蕉の里」に設置 黒沢尻工高生手作りベンチ【北上】

製作したベンチを水芭蕉の里の遊歩道に運ぶ黒沢尻工高の生徒と地域住民ら

 北上市の県立黒沢尻工業高校(三田章徳校長、生徒663人)機械科のグループは今月、同市村崎野の景観スポットに自作した木製ベンチを2基設置した。生徒たちは有効活用、地域は誘客にそれぞれ期待した。

 地域課題の解決に向けた地域活性化プロジェクトの一環。課題に取り組む過程で培った知識や技術を確認し、探究力を養うことを目的に取り組んでいる。

 設置場所は、同市の住民組織・飯豊地区振興協議会(伊藤松男会長)が環境整備に取り組む「水芭蕉の里」と呼ばれるミズバショウ群生地の遊歩道沿い。同科の生徒6人のグループは朽ちて使えなくなっているベンチを課題と捉え、4月の調査スタートから半年ほどかけ製作した。

 ベンチは3人掛けで、長さ1・4メートル、高さ80センチ、奥行き70センチほどの大きさ。生徒がコンピューターで図面を引き、防腐処理された市販の材料を購入してゆったり座ることができるベンチを製作。カラーも豊かな自然に配慮し緑色を選んだ。

 11日に設置作業を終えたリーダーの後藤騎士さん(17)は「地域で一番の景観スポットとして選び、初めて来た時に休む場所が必要だと思いベンチを作ることにした。設置したらめちゃめちゃいいので、便利だと思って使ってもらえるとありがたい」、副リーダーの小田島一輝さん(17)は「普段金属は扱っているが木は扱っていないので、材料選びから難しかったが良い経験になった。授業時間だけでは間に合わず、放課後も学校に残って製作に取り組んだ。たくさんの人に座ってもらいたい」と話した。

 伊藤会長(76)=同市村崎野=は「地域の宝をPRする上で非常にありがたいとみんな喜んでおり、大切に使いたい。訪れた人たちにはミズバショウなどさまざまな花木をベンチで休みながらゆっくり観賞してほしい」と感謝する。


 水芭蕉の里 ミズバショウが幅約5メートル、長さ約300メートルにわたって沢沿いに咲き乱れることで知られ、市の景観資産にも認定されている。群生地を憩いの場として親しんでもらおうと同協議会は2007~11年度、森林や遊歩道の整備をはじめ、植物標板の取り付けや花木の植栽などを行った。

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