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全頭検体採取を開始 6頭目の禁止薬物発生に関係者困惑 岩手競馬

競走馬からの禁止薬物の検出を受け、レース中止を知らせる看板が設置された水沢競馬場(2019年11月18日撮影)

 岩手競馬の競走馬から禁止薬物の筋肉増強剤(ボルデノン)が新たに検出された県競馬組合(管理者・達増拓也知事)は18日、全頭検査の検体採取に着手するとともに再発防止策の検証準備など対応に追われた。2018年に薬物検出が相次ぎ、再発防止策を強化していた中での6頭目の発生に関係者は困惑している。

 禁止薬物の検出は10日の盛岡競馬出走馬からで昨年12月以来、今季は初めて。18日の盛岡競馬、23~25日の水沢競馬の計4日間のレース中止と30日の再開に向けた全所属馬729頭対象の事前検査実施を決めた。

 発表翌日の18日は、今回の薬物陽性馬が在厩(きゅう)する盛岡競馬場(盛岡市)の厩舎所属馬をはじめ、水沢競馬場(奥州市)を含む全頭を対象とした検体(尿)採取を開始。19日以降も順次検査機関と調整して進める。

 再発防止策として昨年来、厩舎エリアの監視カメラ増設や24時間体制の警備員配置、手荷物検査などを継続し、万全を期していたにもかかわらず新たな発生を許す結果となった。

 監督官庁の農林水産省にも報告し、今回の事態を踏まえた指導があったという。同組合の千葉義郎事務局長は「再発防止策のどこに穴があったのか。改めて現地の状況を確認して盲点を見つけて対応したい」と困惑気味に話した。

 同組合は今年1月、第三者が故意に摂取させた競馬法違反の疑いがあるとして県警に刑事告発し、今回の発生も連絡したが、県警は「あらゆる可能性を考慮して捜査している」として従来の姿勢を崩していない。

 岩手競馬では、昨年7月末の盛岡競馬出走馬から禁止薬物が検出された8月以降、9、11、12月まで計5頭から同じ薬物を検出。この間と年末年始を含む計14日間のレースを中止し、3月下旬の特別開催(春競馬)から再開した。

 今季の発売実績(4月6日~10月21日)はインターネット発売が好調で、年間収支で3億3800万円の黒字を見込んでいた。

momottoメモ

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