奥州・金ケ崎

新型インフル想定訓練 患者搬送連携を確認【奥州】

新型インフルエンザ、エボラ出血熱の疑似症患者発生を想定した奥州保健所の訓練

 奥州保健所の新型インフルエンザ等患者搬送訓練は29日、奥州市水沢の奥州保健所、市総合水沢病院で行われ、関係機関の職員らが新型インフルエンザ、エボラ出血熱が疑われる患者の受け入れと送り出しの連携とそれぞれの適切な対応を確認した。

 同訓練は、管内で新型インフルエンザの疑似症患者が発生した場合を想定したもので4年目。同保健所が主体となって行っており、同市内で新型インフルエンザ患者などを受け入れる第2種感染症指定医療機関となっている同病院での受け入れを主にしてきたが、今回は連絡、連携のレベルアップを図ろうと第1種感染症指定医療機関との連携を取り入れた。

 同日の訓練は「水沢在住の60歳無職男性が9月下旬からエボラ出血熱発生地域を含むアフリカ大陸を周遊しながら長期旅行」「現地の病院の体調不良者と接触があった」「その後東南アジア方面に渡り周遊し帰国」「帰国直前に新型インフルエンザ発生地域の安宿で体調不良者と接触」「前夜から発熱、頭痛、呼吸苦、全身倦怠感があり、症状が悪化してきたため診療所を受診」という想定。

 訓練の中で、診療所のかかりつけ医はインフルエンザのような症状で罹患(りかん)の恐れありと診断し、保健所に通報。簡易検査では陰性だったが、新型インフルエンザの感染が強く疑われたとして保健所の搬送車両で同病院に入院。同病院では感染症病棟で受け入れた。

 同病院では感染防護用の着衣、手袋、ゴーグルなどに身を包んだ医師、看護師、薬剤師らスタッフが密閉型の容器に入った患者を受け入れた。問診や疫学検査などの結果、エボラ出血熱の可能性があり、第1種の盛岡市立病院に受け入れ確認した上で、奥州金ケ崎行政事務組合消防本部に要請し患者搬送を決めた。

 総合水沢病院で感染管理担当の佐藤香苗副総看護師長は「繰り返し訓練をする中で覚えてほしいと思い、毎年実施している。反省することにより、ポイントを覚えてもらい、意識を高めることが必要だ」と話していた。

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