北上・西和賀

ふるさとチョイスアワード 北上市、南房総市が特別賞 連携し被災事業者支援 思いやり型返礼品

審査員特別賞を受賞し、壇上で感謝の言葉を述べる北上市の登内氏(左)と南房総市の担当者=トラストバンク提供

 ふるさと納税を活用し地域の活性化、課題解決につながった優良な取り組みを表彰する「ふるさとチョイスアワード2019」(11月30日、東京都)で、北上市と千葉県南房総市の「思いやり型返礼品で被災事業者を支援!」が審査員特別賞に選ばれた。思いやり型返礼品に取り組んでいる北上市が、9月の台風15号で被災した南房総市に返礼品分を事業者の復旧に役立てる仕組みを提案。被害を受けた返礼品事業者の支援に充てる取り組みが評価された。

 アワードは、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(本社東京都目黒区)が主催。過去最多の75自治体、118事例がエントリーされ1次審査を通過した13自治体の担当者が12事例を発表。両市は共同でプレゼンテーションした。

 北上市は2月、前橋市と同社で思いやり返礼品プロジェクト「きふと、」を立ち上げた。寄付の返礼品を自分ではなく、誰かのために役立てる仕組み。北上市は障害者福祉やコミュニティ支援に役立てるオリジナルの「協賛型」など3タイプを運用している。

 台風15号で南房総市は、ふるさと納税返礼品を扱う事業者が多く被災。アワビや伊勢エビなどの返礼品を出せなくなった。通常のふるさと納税は自治体に寄付が集まり事業者に直接支援はできず、同市の担当者が北上市のふるさと納税事業を受託する北上観光コンベンション協会「きたかみチョイス」の登内芳也プロジェクトリーダーに相談した。

 登内氏の提案で、南房総市は思いやり返礼品の協賛型を応用。通常は寄付者が受ける返礼品3割分を事業者が受けて復旧費用に充て、事業者からは寄付者にお礼の手紙を送る「災害復旧支援型」を始め被災事業者支援に一役買った。

 審査では総合大賞と部門賞はならなかったが、審査員4人の総意で急きょ設けた審査員特別賞を受賞。「担当者が事業者の被災状況を自らの足で確認し、両市が連携し事業者支援につなげた。他自治体にも広げられる事例」と評価された。

 登内氏は、特別賞以上に両市の取り組みをアピールできた成果を強調。「全国で災害が頻発する中、今回南房総市でできたことで来年度以降、全国に広がるのでは」と期待している。

 北上市は16年の同アワードでも、最高賞の大賞を受賞している。 

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