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ドイツ中世末期の作 金沢准教授ら調査で特定 岩手大所蔵の聖母子像

ドイツ中世末期の作と特定された岩手大に伝わる聖母子像

 盛岡市の岩手大が所蔵する木彫作品「三日月の上に立つ聖母子」が、同大教育学部の金沢文緒准教授らの調査で、中世末期(15世紀後半から16世紀前半)のドイツで制作されたことが特定された。同時代のドイツの木彫作品は国内では貴重。14日に同大で開かれた美術史講座で作品を展示しながら調査経過を報告した。

 木彫作品は、三日月の上に立つ聖母マリアが幼いキリストを腕に抱く姿が表現されている。高さ97センチの前半部のみを彫り出した半丸彫りで、衣服のひだの一部には彩色が残る。

 国立研究開発法人森林総合研究所の協力を得て作品の木材の樹種を調べたところ、木彫材料としての使用が南ドイツに限られるナツボダイジュだと判明。中でもナツボダイジュを使った木彫は15世紀後半~16世紀前半に盛んに制作されたといい、放射線炭素年代測定結果からも使用木材の伐採年と整合したことから特定した。

 同大が作品を購入したのは1961年。聞き取り調査では同大教育学部特設美術科の教員が、神戸に由来がある大阪の古美術商から購入した可能性が高いという。神戸には開国以降外国人の居留地がつくられ、ドイツ人社会から作品が持ち込まれたのではないかと推測される。

 講座では作品の特徴、制作や購入に至るまでの経緯に加え、作品の主題や背後にある歴史的、文化的な意味合いを解説した。金沢准教授は「中世末期のドイツの木彫作品が国内に伝わっているのはとても貴重。身近に貴重な作品があることを知ってほしい」と話す。

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