一関・平泉

雪踏みしめ中尊寺へ 骨寺村荘園 今年産米など納める【一関】

中尊寺に向けて歩を進める米納め一行

 第13回「骨寺村荘園 中尊寺米納め」(本寺地区地域づくり推進協議会主催)は15日、一関市厳美町内から平泉町にかけて行われ、参加者が骨寺村荘園遺跡の歴史と伝統に感じ入りながら地区内で収穫されたコメを中尊寺に送り届けた。

 骨寺村は平安時代末期から室町時代まで中尊寺経蔵の別当領として、経蔵を経済的に支えた土地といわれている。かつての米納めの行事を再現することで、同荘園遺跡の歴史的価値を全国へ発信することなどを狙いに2007年から開催している。

 今年は本寺地区住民をはじめ、岩手大の学生や県内外の荘園米オーナーら85人が参加し、同地区産の金色(こんじき)の風30キロとひとめぼれ5キロ、特産の南部一郎かぼちゃなどを交代しながら中尊寺まで運んだ。

 午前9時に地区内の駒形根神社を白装束や法被姿の参加者が隊列を組み出発。雪が積もった本寺川沿いのあぜ道などを練り歩いた。中尊寺本堂に到着後、代表者が菅原光中同寺大長寿院住職らに奉納米などを手渡した。

 菅原住職は「新しい年の祈願の際に供え、五穀豊穣(ほうじょう)や皆さんが健康で良い年になるように祈願したい」と労をねぎらった。

 初めて参加した岩手大2年の石川涼太さん(20)は「奉納するコメを背負った際は身が引き締まる思いがした。歴史的行事に参加できたことをうれしく思う。この地に伝わる歴史や地域ならではの風景を今後も継承していってほしい」と話した。

 同協議会の佐々木勝志会長は「台風19号などの災害もあったが無事にコメを育て、納めることができた。若い世代を中心に地区の歴史を知ってもらい、活動を継続していきたい」と意欲を語った。

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