一関・平泉

安全性に質問多々 新ごみ処理施設最終処分場 候補地住民説明終了【一関】

一関、平泉両市町8会場で開かれた新ごみ処理施設、最終処分場候補地住民説明会=7日、市役所花泉支所

 一関地区広域行政組合の新たな一般廃棄物処理施設(新ごみ処理施設)と最終処分場整備に向けた候補地住民説明会は、17日夜に開催された平泉町役場で当初計画した8会場が終了した。同組合が各4カ所の整備候補地について選定経緯を提示。参加者からは安全性や環境影響の有無を確認する質問をはじめ、余熱活用施設整備に期待して早期建設を求める声、周辺で栽培される農作物の風評被害への懸念などさまざまな意見が寄せられた。説明会は今後も2~3カ月の間隔で開催し、最終的には2020年度中に各1カ所を決定する方針だ。

 新ごみ処理施設は、焼却処理を基本に余熱活用施設を含む必要面積5ヘクタールの平場で候補地を絞り込み、一関市内の滝沢地区2カ所、真柴地区と弥栄地区各1カ所を選定。新最終処分場は、埋め立て容量約17万8000立方メートルを条件に約4ヘクタールの谷地で整備可能な土地を絞り込んだ結果、滝沢地区、金沢地区、千厩地区、長坂地区各1カ所が選ばれた。

 住民説明会は、この8カ所の周辺施設を基本に今月1日から12日まで市内7会場で、17日夜には同組合の構成団体となっている同町でも開かれ、延べ278人が参加した。組合側は管理者の勝部修市長、副管理者の青木幸保町長ら幹部職員に加え、日本環境衛生センターのスタッフも補助説明者として出席した。

 参加者からは焼却処理に伴う排ガスや埋め立て地の地下水浸透、生活環境への影響など、安全性を確認する質問が相次いだほか、「われわれが見て判断できるものがあれば提示してほしい」と詳しい整備内容やデータの提示を求める意見が出された。

 一方で農家の女性は「近くに施設があると、農作物が売れなくなるのではないか。そういった事態が起きないよう特段の努力をしていただきたい」と風評被害を懸念する声もあった。

 同組合は「頂いた意見は広報紙やホームページに掲載する」としており、来年3月以降の開催を見込む今後の説明会では施設整備内容の検討状況なども示しながら意見を聞く方針だ。

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