一関・平泉

歳末点描2019 平和な年願いすす払い 中尊寺

長い柄の付いたはたきを使い、丈六仏に積もったすすを慎重に払う僧侶=中尊寺讃衡蔵

 年の瀬を迎え、平泉町の中尊寺(山田俊和貫首)では19日から1年間にたまった汚れを払い清める恒例のすす払いが始まった。初日は境内の宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」にある高さ約2・7メートルの丈六仏で作業が行われ、今後5日間ほどかけて国宝32体や重要文化財12体の仏像などが清められる。

 同館正面に安置された丈六仏は平安後期の作となる阿弥陀如来坐像1体、薬師如来坐像2体の3体で、いずれも国指定重要文化財。作務衣(さむえ)姿に口当てを着けた3人の僧侶による作業では、長い柄の先に柔らかい和紙の束を付けたはたきを使い、仏像の表面に残る金箔(きんぱく)などに注意しながら慎重にほこりが取り除かれた。

 清水秀法さん(32)は「1年への感謝と、皆さんにすがすがしい気持ちで訪れていただけるようにとの思いですすを払った。今年は災害が多い年だったので、来年は平和な年になってほしい」と語った。

 同寺では28日に餅つきを行い、30日には境内の諸堂に供えて新年を迎える準備が整う。同寺は正月三が日の参拝者数を前年並みの約10万人と見込んでいる。

◇  ◇

 2019年も残りあとわずか。1年の締めくくりや令和初の正月を迎える準備が慌ただしく進む一関地方の風景を紹介していく。

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