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新年の多幸願い 歴史文化館 縁起物テーマ展【岩手】

縁起物を題材にした掛け軸などを紹介しているもりおか歴史文化館のテーマ展

 盛岡市内丸のもりおか歴史文化館で、テーマ展「ゆくとし、来るとし、めでたづくし」が開かれている。江戸~近代の館蔵品で、富士山をはじめとする縁起物を題材にした絵や和歌の掛け軸など9点を展示。現代にも通じる日本人の信心深さを伝えている。2020年2月17日まで。

 年末年始や受験シーズンに注目が集まる縁起物をテーマに、18年度に引き続き開催。掛け軸は朝日、松、竹を配した「旭松竹図」をはじめ、長寿の象徴として知られる長い尾の亀が岩肌につかまっている「岩に亀の図」、中国の神仙思想で不老不死の仙人が住むとされる「蓬莱(ほうらい)」の風景を描いた絵など8点を展示している。

 このうち「富士之図(ふじのず)」は、江戸後期の盛岡藩が抱えた絵師・川口月嶺(1846~71年)の作品。雄大な富士山の絵に、15代盛岡藩主南部利剛の娘で皇族に嫁いだ郁子による「ふたつなき山は不二(富士)のね うこきなき国のたからと仰きみるかな」という和歌が添えられ、「富士山は唯一無二の国の宝」とたたえている。

 このほか、商売繁盛の神として信仰を集める七福神の恵比寿と大黒天が金銀財宝に囲まれて「宝の計算」をするユニークな錦絵も展示。満面の笑みでそろばんをはじき、帳簿をめくるなど、人間味あふれる姿が話題を呼んでいる。

 開館時間は午前9時~午後7時。31日と元日、第3火曜日は休み。同館の福島茜学芸員は「新しい年が良い年になるよう願いながら、めでたい美術品の鑑賞を楽しんでほしい」としている。

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