１人３団体に決定　学生賞は黒北小合唱部　岩手日日文化賞

　各分野で優れた功績を挙げている個人、団体をたたえる岩手日日新聞社の第３７回岩手日日文化賞に１人、３団体が決まった。学生賞は１団体が受賞する。贈呈式は、２月２６日に一関市山目のベリーノホテル一関で行われる。【１０、１１面に関連】

　文化賞を受賞するのは、芸術・文化部門が佐藤岩輝（本名忠美）さん（６７）＝平泉町平泉＝、学術・研究部門が一関市のホッパの会、地域振興部門には花巻市の北上川フィールドライフクラブと奥州市のＮＰＯ法人イーハトーブ宇宙実践センター。学生賞には北上市の黒沢尻北小合唱部。

　佐藤さんはＪＲ平泉駅前に肖像画店を構え、家族の思い出や人生の節目を描き続けてきた。専門学校で油彩画を学び、１９７８年に全日肖展で新人賞、２０１５年には最高賞の内閣総理大臣賞を受賞している。

　１９９９年に結成したホッパの会は、一関市大東町内野地区で受け継がれる製鉄の文化継承に取り組む。地元の児童に製鉄の歴史を伝え、精製した鉄は小学校の卒業制作の材料として使用している。

　北上川フィールドライフクラブはアウトドア体験の場を提供し、自然を生かした地域おこしに励んでいる。夏にはボートでの川下り、冬には雪上バギーの乗車体験を企画。水辺環境保全にも力を入れている。

　ＮＰＯ法人イーハトーブ宇宙実践センターは、研究者と市民が語り合う「サイエンスカフェ」、子供たちの体験学習「サンデースクール」などの事業を通じ、市民らに科学の楽しさや魅力を伝えている。

　黒沢尻北小学校合唱部は、第７２回全日本合唱コンクール全国大会で一体感のあるハーモニーを響かせ、新設された小学校部門で金賞を受賞。最高賞の全日本合唱連盟理事長賞に輝き、初代チャンピオンの座を射止めた。

　岩手日日文化賞は、岩手県南、宮城県北地域の各分野で活躍する個人、団体が対象。創設した８３年度から前回までに学生賞を含めて８６人、９０団体が受賞している。