奥州・金ケ崎

鞍馬天狗の活躍描く 来月1、2日市民☆文士劇 総勢150人、成功期し一丸【奥州】

奥州市民☆文士劇「鞍馬天狗」の本番成功に向け、熱心に稽古に励むキャスト
キャストの衣装合わせに当たる衣装化粧班のメンバーら。舞台を支えるスタッフも本番に向け準備を進める

 第12回奥州市民☆文士劇「鞍馬天狗(くらまてんぐ)―悪い奴(やつ)らは許しておけぬ!正義を守る黒頭巾―」は、2月1、2の両日に同市江刺大通りの江刺体育文化会館ささらホールで計3回公演する。時代小説のヒーローを題材に、エンターテインメント性の高い見どころ満載の物語を展開。演出など新たなメンバーも迎え、キャストによる熱のこもった稽古やスタッフの準備が進められ、総勢150人が一丸で公演成功に情熱を燃やす。

 文士劇は同ホールと実行委員会が主催。市民キャストとスタッフ、生バンドや作家高橋克彦さん(声で出演)、小沢昌記市長らゲスト文士18人も参加を予定する。大佛次郎の小説を原作に、脚本家道又力さん(58)=盛岡市=が脚本を担当。幕末の京都を舞台に、鞍馬天狗と角兵衛獅子の少年・杉作を軸とした第1幕、金で暗殺を請け負う悪の結社・山嶽党とのストーリーとなる第2幕で構成する。

 2019年10月に始動し、高校生から高齢者まで40人のキャストが週2~3日、同ホールで稽古を重ねる。ユーモラスなやりとりからシリアスな展開、ダンス、殺陣まで約2時間20分の演目にはふんだんに見せ場が盛り込まれており、おのおのが良い舞台をつくり上げていこうとしている。

 鞍馬天狗役の伊藤玲雄さん(32)=奥州市江刺=は通算4度目の主役を担うが、今回は舞台にほぼ出続けで、せりふも多い。「話を進めていかなければならないので、リーダーシップを発揮して引っ張っていかないと。仕上がりはまだまだだが私自身も楽しみ、見ている人にも伝わるような舞台にしたい」と意気込む。

 演出家吉田利成さん(48)=盛岡市=は、舞台などでの活動を経て、15年に帰郷後は盛岡文士劇にも携わっており、道又さんから打診を受けて今回初めて演出として奥州市民☆文士劇に加わった。精力的に交流を図り、熱のこもったアドバイスも送っており「皆さんの意識がすごく高いので演出のしがいがある。かなり面白い舞台に仕上がると思う」と期待する。

 大道具・美術・小道具や衣装化粧、音響、照明などのスタッフ各班も華やかなステージを支えるべく、準備作業を進める。

 19年12月、岩谷堂地区センターでの衣装合わせでは、衣装化粧班のメンバーが各キャストの着付けを次々と行いながら、サイズや袖・裾丈など調整が必要な部分を確認。今後は26日から始まる通し稽古に向け、39人53着分の衣装調整に当たる。班長の及川正子さん(64)=奥州市江刺=は「体形はそれぞれ違うし、着せてみないと分からない部分もある。大変だが、通し稽古までには仕上げる」と表情を引き締める。

 また、今回は大型の台をステージに組み、可動の仕掛けも施す見込み。12、13の両日に設営作業を行う。

 プロデューサー・舞台監督の高野誠司実行委員長(64)=同=は「地域の元気を発信する舞台にしたい」と語る。開演は来月1日が午後3時、同2日は午前の部が10時30分、午後の部が3時。全席指定で前売り1500円(当日2000円)。同ホール=0197(31)1607=などで取り扱っている。

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