一関・平泉

冬の新たな観光資源へ 祭畤スノーパーク整備 訪日客に遊び場提供 巨大滑り台や雪合戦広場【一関】

DMOによる雪遊びDAYで滑り台でのスノースライダーを体験する参加者。この経験を生かしながら、インバウンドを呼び込むため、雪遊びの場となる祭畤スノーパークが整備される

 閑散期にインバウンド(訪日外国人旅行者)を呼び込もうと、一般社団法人世界遺産平泉・一関DMOなど観光関係機関・団体は、新たな冬の遊び場として一関市厳美町地内に「祭畤スノーパーク」を整備する。雪遊びは台湾を中心にインバウンドから人気が高いことから、気軽に雪に親しんでもらおうと企画。巨大滑り台や雪合戦広場などを設置する計画で、海外からのツアー客も来訪を予定しており、冬の新たな観光資源を目指していく。

 一関地方の観光振興を官民一体で進める地域組織(DMO)となる同団体は、同地方で冬にインバウンドを含む観光客が減少する傾向にあることから、閑散期対策に主眼を置いて各種施策を展開。2019年には冬の観光キャンペーンを実施し、この一環でまつるべスノーランドを会場に「まつるべ雪遊びDAY!」と銘打ったイベントを開催し、雪合戦の雪玉作りやビニール製のバブルボールを装着してぶつかり合う「バブルバンパー体験」などが人気を集めた経緯がある。

 一方で、同年2月には観光関係者らが山形県飯豊町の雪遊び体験広場・どんでん平スノーパークを視察。同広場は冬に閉鎖される町営のユリ園の駐車場を活用して整備され、台湾を中心に雪遊びのツアーで2カ月間で4000人以上の外国人が訪問する人気のスポットとなっていることから、これを参考に雪遊びDAY開催の経験を生かしながら新たな雪遊びができる場所として祭畤スノーパークを整備することとした。

 スノーパークの整備、運営は栗駒山麓会議が主催する形で、同DMOや一関温泉郷協議会に加盟する各施設、NPO法人須川の自然を考える会、市観光協会などが協力する。会場はまつるべスノーランドに隣接するラグビー場と第2駐車場で、施設を管理する市からも了承を得たという。斜面を活用して雪の巨大滑り台を設置するほか、雪合戦広場、雪だるま作り広場、スノーシューでの雪歩き広場などを計画しており、実際の整備は今月18日に予定している。

 整備後の今月下旬には中国・広州からのツアーを受け入れるほか、2月には台湾の旅行会社の担当者が視察に訪れる予定。初年度となる今季は事前予約の団体のみを受け入れる計画で、実施結果の検証、分析を進めた上で、継続した実施につなげていく考えだ。

 同DMOの嶋貫淳事務局長は「普段雪を見ることのない台湾や東南アジアからの観光客に雪遊び体験の場を提供することで閑散期対策につなげ、将来的には周辺の飲食店や各施設への来訪を増やし滞在時間を延ばすことで経済効果を高めていければ」と語っている。

ボランティアスタッフ募集

 世界遺産平泉・一関DMOは、18日に行う祭畤スノーパークの整備に携わるボランティアスタッフを募集している。

 雪遊びのための巨大滑り台や雪合戦広場などの整備を手伝ってもらう。参加者には昼食が用意されるほか、一関温泉郷の湯めぐり券がプレゼントされる。

 時間は午前10時~午後3時。原則として現地集合・解散だが、移動手段の確保が難しい場合にはJR一ノ関駅西口発着の送迎バスを用意する。

 問い合わせ、申し込みは同DMO=0191(34)5345=へ。11日締め切り。

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