北上・西和賀

11月開院へ工事着々 北上済生会病院 リハビリ機能を強化

北上済生会病院新病院の完成予想図。8月完成、11月開院が見込まれる

 北上済生会病院の新病院移転新築工事は、北上市九年橋の旧県立北上病院跡地で着々と進められている。小児・周産期医療の体制を維持しつつ、回復期リハビリテーション機能を強化。引き続き急性期医療も提供する。8月の完成、11月の開院を目指している。

 同市花園町にある現病院は狭く老朽化し、耐震性の問題もあり移転新築する。社会福祉法人恩賜会財団済生会岩手支部が建築主体で竹中工務店、平野組、小原建設の特定共同企業体(JV)が施工し、2018年10月に着手した。

 新病院は病院本体と駐車場、保育所棟合わせて敷地面積2万947平方メートル。病院本体は鉄骨造り地上5階建ての耐震構造で、延べ床面積約1万6000平方メートル。駐車場は現病院分より約50台多い220台分確保する。

 総病床数は現在稼働分より28床少ない224床。一般病床は114床(現稼働比38床減)となるが、中核病院の一つとして引き続き急性期医療を担う。回復期リハビリテーション病棟は60床(同16床増)と充実させる。小児・産婦人科病棟は50床(同6床減)と現状に近い形で、地域周産期母子医療センターの役割を担う。

 1階に外来と救急、検診などに対応する保健予防センターなど、2階は人工透析室やリハビリテーション科、管理部門など、3階に回復期リハビリ病棟と小児・産婦人科病棟、4階に一般病棟、5階にエネルギーセンターを配置。人工透析機器は19台から25台に増やす。

 市からは引き続き在宅医療介護連携支援センターの委託を受け、1階に部屋を設け地域包括ケアや医療介護連携の役割を担う。保育所棟には病院スタッフ専用の院内保育所を配置。市の要請に応じ、病後児保育所も設ける。

 総事業費は建設工事や用地取得、医療機器購入など総額約100億円。市は18~20年度に補助金15億円(国負担含む)を交付し、国や県も財政支援する。

 開院後の周辺道路混雑緩和へ、市は病院前の歩車道でバスレーン設置などの改良を計画。付近の十字路交差点に右折レーンを設けるほか、丁字路交差点には新たに信号機設置を関係機関に要望する。開院後のバス路線も見直し、発着場も再整備する。

 現時点で工事は順調に進み、8月の竣工後に医療機器や備品などを搬入。開院に向けた準備や訓練を行い、11月中に1日かけて入院患者を移送。その後、外来をスタートさせる。

 同院は「現時点で工事は順調に進んでいる。病院機能の円滑な移転に努めていきたい」としている。

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