県内外

新型肺炎対応を共有 県 医療関係者が連絡会議【岩手】

新型コロナウイルスについて対応を協議した医療連絡会議の初会合

 中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、県は29日、医療、行政関係者らによる連絡会議の初会合を県庁で開いた。政府が強制入院や就業制限などが可能になる「指定感染症」への指定を閣議決定したほか、国内で武漢市に渡航歴のない患者の感染事例などについて情報共有。さらに、県内で感染の疑いがある患者が発生した場合の対応や感染防止策などを確認した。【4、8面に関連】

 会議には県医師会をはじめ、感染症指定医療機関として、盛岡市立、北上済生会、奥州市総合水沢、県立遠野、千厩、大船渡、宮古、久慈、一戸の9病院と、一類感染症指定医療機関の県立中央、盛岡赤十字、国立盛岡医療センター、岩手医科大附属病院のほか、保健所の関係者ら約40人が参加。

 野原勝県保健福祉部長はあいさつで「国内の流行拡大や県内での患者発生に備え、関係機関の連携による体制整備が求められている。新型ウイルスはこれまでわれわれが訓練してきたものと大きく変わりはない。過度に恐れることなく、決して侮らず冷静な視点で対応していく必要がある」と強調した。

 会議は一部非公開で行われた。県は28日正午現在として、世界15カ国で感染者4561人、死者106人と説明。国内では16日に神奈川県で初めて発生。24、25日に東京都、26日に愛知県、28日に愛知県と奈良県、北海道でも感染が確認された。これまで7人の感染が確認されており、奈良県のケースでは、武漢市を訪れていない観光バスの運転手が感染するケースもあった。

 会議の中では、新型肺炎が疑われる患者が発生した場合の対応として、37・5度以上の発熱や呼吸器症状があり、発症から2週間以内に武漢市への渡航歴があるかどうかを確認。いずれも該当する場合には、感染症指定医療機関の受診や入院対応とし、検体の採取などを行うことを確認した。

 このほか、指定感染症が施行される2月7日までの間に患者が発生した場合の対応なども確認した。

 会議に参加した千厩病院の石川泰洋感染管理認定看護師は「病院では普段からせきエチケットや手指消毒などに取り組んでいる。万一発生した場合に備え、関係機関との情報共有をしっかり行っていきたい」と話していた。

 県医療政策室の小野泰司感染症担当課長は「現時点では新型肺炎に免疫はないが、インフルエンザの対応と変わらないので、せきエチケットや手洗いを徹底し、感染のリスクを下げてもらいたい」と注意喚起した。

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