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水沢工・一関工・千厩(産業技術科) 専門人材育成へ統合 県立高再編後期計画案【岩手】

 県教委は6日、四つの統合計画を盛り込んだ県立高校再編計画の後期計画案(2021~25年度)を公表した。水沢工と一関工、千厩の産業技術科を統合して県南地域に大規模な工業高校を新設するなど、将来的な中学校卒業者数の減少を考慮し、専門人材の育成を図る観点から統合を進める。一方、地域の多様な学びを確保するため、後期計画期間中は原則として現在の学科、学級数を維持する方針も盛り込んだ。【2面に関連】

 計画案では、盛岡ブロックにおける大規模校の統合として盛岡南と不来方の統合、地域の産業教育の拠点となる専門高校などの整備として▽水沢工・一関工・千厩産業技術科▽宮古商工・宮古水産▽福岡工・一戸―の三つの統合を盛った。

 盛岡南(学級数6)・不来方(7)は、盛岡市内への生徒の集中を緩和するため、盛岡南を21年度から段階的に普通科を1学級ずつ減らし、25年度に不来方と統合。統合校は8学級規模を想定し、人文、体育、芸術、外国語といった特色ある学びを充実させる。

 水沢工(4)・一関工(3)・千厩産業技術科(1)は、自動車や半導体などの産業集積が進む県南地区でものづくり産業を担う人材育成に対する高校教育への期待を踏まえ、産業人材に幅広く対応できる工業教育の充実を図る考え。統合校は1学年6学級規模で多様な基幹学科を持つ学校を想定する。一関と胆江のブロックをまたぐ統合案のため、住民理解や調整に時間を要するとして最短でも25年度以降の統合を見込む。

 宮古商工(5)と宮古水産(2)は、宮古地区の物流基盤の整備状況を踏まえ、25年度に水産、工業、商業の職業系専門学科を複数配置した1学年6学級規模の総合的専門高校を設置。福岡工(2)と一戸(3)は、ものづくり産業や介護福祉の人材を育てる二戸ブロックの専門教育の拠点校として24年度に1学年4学級規模への再編を考えている。

 県教委学校調整課の藤澤良志高校改革課長は「生徒の進路実現のために学校の規模や統合の有無を考えた。地域を担う人材の育成の観点から小規模校も残し、ICT(情報通信技術)なども活用しながら教育の充実を図っていきたい」と話している。

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