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受け継ぐ反核の遺志 盛岡・下ノ橋教会 きょうから、故オダネル氏写真展

故オダネル氏が撮影した写真「焼き場に立つ少年」と写真を管理する山崎さん

 被爆後の長崎で撮影されたとされる亡くなった幼子を背負う「焼き場に立つ少年」で知られる、米占領軍のカメラマンだった故ジョー・オダネル氏の写真展が、15日から盛岡市内丸の下ノ橋教会で開かれる。同氏の写真は国内で初めて公開されて以降、二十数年にわたり奥羽キリスト教センター(旧善隣館)の元職員山崎真さん(82)=同市=らが保管してきた。広島・長崎への原爆投下から75年となる今年、同氏の遺志を引き継ぎ、26点の写真を公開する。

 オダネル氏は1945年9月初め、軍の命令で被爆地や空襲で被災した都市を撮影するために来日した。7カ月余り滞在し、私的に撮影したネガを持ち帰ったが、被害の酷さなどからトランクにしまい込んだままだった。

 それから四十数年後、修道院で見た反核を訴えた作品に触発されてトランクを開け、90年には米テネシー州ナシュビルで初の写真展を行った。92年にはナシュビルの教会を訪ねた山崎さんと出会い日本での写真展開催を約束、国内初公開が盛岡市で実現した。

 山崎さんによると、当時の米国では原爆投下が正当化され、写真の公開は非難されることが多かった。苦境に置かれてもオダネル氏は「原爆を投下したことは間違いだった。私が言わないとうやむやになってしまう。そういうことでは平和は来ない」と語り、強い意志を持っていた。

 これまでに日本国内では200回近くの写真展が開かれてきた。2017年末にはローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が「戦争がもたらすもの」とのメッセージを記して全世界の教会に配布したことで話題になった。昨年11月に教皇が来日した際には上智大からの依頼で写真を貸した。

 07年に他界するまでたびたび来日し、「写真を公開することは自分に与えられた役割だ」と話していたオダネル氏。山崎さんは「彼が言っていたように世界の人と人が理解し合わないと本当の平和は来ない。この写真を通してなぜ戦争が起きたのかを考え、彼の信念を知ってほしい」と話している。

 写真展は17日まで。時間は午前10時~午後4時(16日は正午~午後4時)。入場無料。

▲初来日したオダネル氏(左)と山崎さん=1992年10月、盛岡市内、山崎さん提供

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