岩手へのかえり方を一緒に探すプロジェクトKAERU 04|いわて圏 ~Uターンする人を待つ企業~
住んでいる場所も、働く場所も、仕事をする曜日や時間も自由。メンバー間のやりとりは、チャットツールとテレビ会議。2拠点居住や複業で、自分が目指す働き方を追求する。
…などなど、新しいワークスタイルを実現しながら、岩手に関するさまざまな企画・PR・デザイン業務を行っている一般社団法人いわて圏という会社が一関市を拠点に事業を拡大しています。
発音は「岩手県」とまったく一緒なので、社名を名乗ると「え…、イワテケン…ですか…?」「御社名、もう一度お伺いしてもよいですか…?」みたいな反応をされることがしばしば。
一見ユニークな社名ですが、本人たちは大マジメに関係人口増加や移住定住促進を目的とした企画のプロデュースや新規事業の立ち上げ、行政機関や企業とタイアップしたPR活動に取り組んでいます。
いわて圏が目指すのは、「見たい景色をつくる」ことで、岩手に関わる県内外の個人・組織・地域の課題を解決し、イメージした構想を実現することです。そんな「見たい景色をつくる」ために求めているのは、岩手愛を持って営業や企画のプランニングから実行までを担当する「プロジェクトディレクター」と呼ばれる役割を担う人。どんな仕事やスキルが求められる職種なのか、代表理事を務める佐藤柊平さんにお話を伺いました。
プロジェクトディレクターに求められる役割
「今回募集するのは、岩手の企業や行政機関とタイアップして実施する企画の実現に取り組むプロジェクトディレクターです。役割としては、企画立案からクロージング(契約締結)、事業のプロジェクトマネジメントを含む幅広い業務内容を一緒に担っていただきたいなと思っています」

いわて圏が取り組んでいるのは、①企画・コーディネート②広報・PR・編集③クリエイティブの3つの事業領域。岩手の各市町村や企業が抱えている地域課題を、岩手に関わる県内外のさまざまなスキルを持った人たちが一緒に解決することを目指しています。
今回募集するプロジェクトディレクターが担当するのは「企画・コーディネート」領域の業務。これまでは主に佐藤さんが担っていたそうですが、そもそも佐藤さんはどんな働き方をしているのでしょうか?
「私がこれまで意識してきたのは、カテゴリーを限定せずに、多くの方とのつながりを大切にすることです。さまざまな業界やジャンルで、岩手を思う感覚を同じように持てる人たちとコミュニケーションが取れるからこそ、いわて圏が取り組む仕事ができると思っています」
佐藤さんはこの7年ほど、岩手と東京を行き来する2拠点ワークを行い、「東京」と「岩手」の両方の感覚を活かしながら企画や事業立案を行ってきました。「個人的には、都会的な感覚と岩手的な感覚の両方を意識することで、双方のニーズが分かってアイデアや企画が生まれ、できることが広がる感覚を持っています」
いわて圏設立以前にも、地域活性化を目指す団体の立ち上げやイベント企画などで実績を残してきた佐藤さん。さまざまな取り組みを通して多くの人と出会ってきたことから、Facebookの友達の数は2,500人以上。「岩手」や「地域」をキーワードに活動している方々との関わりを大切にしながら活動しています。
「新しくメンバーになっていただく方には、僕の脳みそをそのままお渡しするようなイメージで(笑)、一緒に業務を担っていただこうと思っています。僕がこれまで意識してきたことをお伝えしながら、その方のやりたいことや得意なことを活かして、一緒に事業を拡大させていきたいと思っています」

いわて圏のディレクター兼アシスタントデザイナーとして、イベントや制作進行の業務を担う千葉桃さん。出身地である遠野市と、居住地の青森県弘前市を行き来しながらいわて圏の業務を行っています。
千葉さんは「スタッフの数が多くないからこそ一人ひとりの業務範囲が広く、裁量権を持って仕事ができる組織であることが、仕事のやりがいにつながっていると感じています。自分のアイデアや考えを事業に反映することができますし、自分の理想の働き方を実践しながら、しっかりと役割を持って関われているのはとても楽しいです」と実感しているそうです。
いわて圏のスタッフは現在7名。学生、編集者、デザイナーなど、それぞれが「複業」を持ちながら、自身の強みを活かしていわて圏での業務に携わっています。
それぞれの理想の働き方を実現しながら事業のパフォーマンスや成果を高めるために、今回募集するプロジェクトディレクターの加入はいわて圏にとって重要な意味を持つようです。

岩手に取り憑かれて、岩手に狂う
いわて圏のミッションである「見たい景色をつくる」。岩手に関わる人々の関係性の編集を通して、県内外の個人・組織・地域がイメージする構想の実現を目指しています。
取り組む内容は壮大ながら、佐藤さんのお話する姿から伝わってくるのは、いわて圏での活動を面白がって、楽しんでいること。事業に取り組む「面白さ」は佐藤さんにとって、とても重要な感覚のようです。
「ストーリーや戦略、ロジックがしっかりかみ合うアイデアが生まれたときに面白さを感じています。これまで言語化されてこなかったことや描かれていないことを自分たちが形にする。他地域の方から、『やー、いい仕事してるね!』と思っていただける仕事をし続けられたら最高ですね」
そしてもう一つ、佐藤さんが大切にしているのは「岩手に狂う」という感覚。いわて圏での活動は、岩手への愛にあふれ、それぞれが自分自身の言葉で岩手を熱く語れるということが必要だと佐藤さんは話します。
「岩手に取り憑かれて、岩手に狂う。そんな熱意を持って一緒に岩手で面白いことを仕掛けていく仲間をお待ちしています」