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文化審 「風流踊」提案候補に ユネスコ無形文化遺産 本県2件含む芸能【岩手】

岩崎鬼剣舞保存会

 文化審議会は19日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録を目指し、全国で伝承されている民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」を提案候補に選定した。北上、奥州両市の「鬼剣舞」など、本県の2件を含む各地の類似する芸能を一括提案。政府は関係省庁連絡会議を経て3月末までにユネスコに提案書を提出、2022年のユネスコ政府間委員会で登録の可否が審議される見通しだ。

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 これまで国内で無形文化遺産に登録されているのは、花巻市の早池峰神楽や能楽、歌舞伎、和食など21件。今回は登録済みの「チャッキラコ」(神奈川県)を拡張する形で、本県の鬼剣舞と「永井の大念仏剣舞」(盛岡市)など、いずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている計37件の一括登録を目指す。

 風流は広く親しまれている盆踊りや小歌踊り、念仏踊り、太鼓踊りなど各地の歴史や風土に根差して伝承されてきた民俗芸能。華やかな衣装で着飾り、笛やかね、太鼓などに合わせて踊ることで災厄を払い、安寧な暮らしを願うという共通の特徴を持つ。

 世代を超え、地域全体で伝承されていることから地域社会の核となる役割を果たす一方、長い伝統を背景に文化的かつ社会的な機能も有している。無形文化遺産に登録されれば、各地域間の対話や交流が促進され、民俗芸能の保護・伝承事例として広く発信されることになりそうだ。

 風流に分類される国指定重文を保存する全国の団体は19年、全国民俗芸能「風流」保存・振興連合会を設立。鬼剣舞では岩崎鬼剣舞、滑田鬼剣舞(以上北上市)、朴ノ木沢念仏剣舞、川西念仏剣舞(以上奥州市)の4保存会で構成する鬼剣舞連合保存会(会長・和田勇市岩崎鬼剣舞保存会庭元)が特別公演の開催などを続けている。

 提案候補に選ばれたことを受け、和田会長(70)は「保存会を通じた活動を続けてきたので、候補になったことをうれしく思う。これまで同様に無形文化遺産の登録に向けて努力していきたい」と話している。

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