一関・平泉

一枚一枚 伝統感じ 東山中1年生が紙すき体験【一関】

鈴木英一さん(左)の指導で紙すきを行う東山中1年生

 一関市東山町の東山中学校(鈴木俊行校長、生徒152人)の1年生は21日、同町長坂の共同作業所和紙の里で東山和紙の紙すき作業を体験し、地元の職人から伝統技の手ほどきを受けた。

 「東山を知る」をテーマにした総合的な学習の時間で実施。1月に東山和紙の歴史や作業工程などに関する講話を聞いたのに続き、東山和紙職人の鈴木英一さん(77)=同町長坂=の指導で生徒34人が午前と午後に分かれて作業に当たった。

 このうち午前の部では17人が、楮(こうぞ)やのりを含んだ水を簀(す)にくみ、簀を前後左右に動かして繊維を絡み合わせ、水を捨てて平らにし、紙を取り外すまでを体験した。

 鈴木さんは「思い切って(水を)すくったほうが、紙が均一に仕上がる」「紙を簀から取り外す時は、奥に押し出すようにしながら外すと空気が入ることなく紙を重ねることができる」などとアドバイス。

 体験した鈴木朋大さんは「水は冷たく、最初は難しかったが、2枚目、3枚目は何とかできた」と安堵(あんど)の表情を見せ、永澤萌夏さんは「作業を体験して紙すきの大変さが分かった」と話していた。

 今回作った和紙は、版画で模様を施して一閑張りに仕上げ、3年生での修学旅行の際に東山をPRする作品に活用するなどの計画がある。

 鈴木英一さんは「このような伝統的な産業が東山に受け継がれていることを知っていてもらえれば」と願っていた。

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