花巻

古今雛3年ぶりに 旧村田酒造店【花巻】

旧村田酒造店に飾られているひな壇

 花巻市大迫町で開催されている第23回おおはさま宿場の雛(ひな)まつり(3月3日まで)に合わせ、仲町の旧村田酒造店では江戸時代に作られた貴重な古今雛を3年ぶりに展示、公開している。体高が約60センチもある豪華な内裏びなを見ようと、大勢の観光客らが詰め掛け話題を集めている。

 所蔵する村田万希子さん(78)によると、ひな人形は江戸時代の明和年間(1764~72年)に作られ、夫の好弘さん(故人)の父親が購入したものとみられる。顔は写実的で整っており、目はガラスや水晶で象眼する工夫が施されている。あでやかな衣装を身に着けたたたずまいは古風な趣を感じさせる。

 2008年に約40年ぶりに飾られ、09年、17年に続く4度目の公開。図書ボランティア「たんぽぽの会」や地元の建具師ら有志が協力し、7段飾りに約60体を飾り付けた。内裏びなの他にも鮮やかな神功皇后と武内宿禰、迫力あふれる鍾馗(しょうき)、手刺繍(ししゅう)の装束をまとった踊り子など大小さまざまな人形が並べられ、来場者を魅了している。

 17年は好弘さんと万希子さんの金婚式だったといい、万希子さんは「おひなさまを見て喜んでいた主人の顔が忘れられない。久しぶりに飾ってもらい、私も感激している。おひなさまの優しい笑顔、大迫の人たちの笑顔でみんなが幸せになり、地域活性化につながったらうれしい」と話している。開場時間は午前10時から午後3時ごろまで。

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