奥州・金ケ崎

和子夫人にスポット 後藤新平記念館企画展 写真、書簡など12点【奥州】

写真や書簡などで「和子夫人の生涯」を紹介している後藤新平記念館の企画展

 後藤新平を支え続けた和子夫人(1866―1918年)を取り上げた企画展が、奥州市水沢大手町の後藤新平記念館で3月8日まで開かれている。同記念館でも「あまり資料がなく、今まであまり紹介されていないだけに興味を示す来館者が多い」と言う。記念館が所蔵している写真や書簡など12点を通して夫妻の暮らしや夫人の人となりを紹介している。

 企画展のタイトルは「和子夫人の生涯 新平を支え続けた“やまとなでしこ”」。和子夫人は胆沢県庁大参事をはじめ、福島県や愛知県などで県知事を務めた安場保和の次女。新平が内務省衛生局勤務となった1883年9月に結婚した。

 同記念館の佐々木菖子学芸調査員は「9歳違いの夫婦は仲が良かった。台湾民政長官時代には早朝の散歩を日課としていた夫妻が、自転車に乗って4キロほどの距離を回っていたという。今回は明治36年に144円だった婦人用自転車の領収証を展示している」と紹介している。

 また、婦人組織の代表を頼まれることも多かったというが、「新平が許さなかった。そんな中、台湾婦人慈善会は組織の設立に新平も関わっているため、唯一会長に就任することを認めた」と当時の集合写真について解説。和子夫人が選んだ歌集「古今名歌集」、同記念館に常設展示されている「教訓百人一首かるた」の作製由来を記した書もあり、「相当に短歌に造詣が深かったことがうかがい知れる資料。百人一首は子供の教育にふさわしいものを和子夫人が選んだという。同世代の明治の偉人や高野長英の作も見られる」と語り、常設展示も合わせて見てほしいとしている。

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