花巻

全国に雑穀産地PR ヒエ主原料焼酎「稗造君」 自己商標酒類卸売免許取得 JA花巻 販路拡大へ

JAいわて花巻が卸売り可能となった稗造君

 花巻市産雑穀の「ヒエ」を主原料にした焼酎「稗造君(ひえぞうくん)」を開発、販売するJAいわて花巻(髙橋勉組合長)に28日、花巻税務署から「自己商標酒類卸売業免許」が交付された。免許交付を受け同JAは、酒販店を通さず商品を卸売りすることが可能となった。県内で同免許の交付を受けたJAは珍しく、全国のJAを中心に販路を拡大し雑穀関連商品と併せて知名度向上を図りたい考えだ。

 JAいわて花巻はこれまで、店舗販売が可能となる小売販売免許を取得し、直営の農産物直売所「母ちゃんハウスだぁすこ」で稗造君を販売。ただ、直接卸売りができなかったため知名度が低く、認知度アップによる販売拡大につなげようと2019年12月に同税務署に免許申請し、28日に免許の交付を受けた。

 取得した自己商標酒類卸売業免許は、自らが開発した商標または銘柄の酒類に限って卸売りできる免許。

 友好関係にある全国のファーマーズマーケットやJAを中心に売り込む予定で、同JA産直課の薄衣諭課長は「ヒエを生産している産地として現場を知っているわれわれが、直接営業して商品を卸せるようになるので、雑穀の良さを広めることを含めて販路を拡大していきたい」と意欲を示す。

 稗造君はここ数年、年間800~900本程度販売され、それ以前に比べると下降気味だった。


 稗造君 全国有数の生産規模を誇る花巻市産の雑穀「ヒエ」を使って産地をアピールしようと、2004年10月に試験販売を開始し、05年12月に本格販売に乗り出した。名称は、当時生産日本一だったヒエのイメージを伝えることと、花巻地方が稗貫地方と呼ばれていることから地域発展の願いを込め同JA担当者が命名した。

 福岡県の酒造メーカー・篠崎に醸造を依頼。花巻産ヒエを40%以上使用し、酒造会社が用意したコメや米麹(こうじ)を加えて仕込んだ。アルコール度数が25度、30度、40度の3種を用意。価格は1本(720ミリリットル入り)当たり、税込み1350~3600円。

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