一関・平泉

疫病退散 願いぶつけ 藤沢 長徳寺蘇民祭【一関】

男衆が激しい肉弾戦を繰り広げた蘇民袋争奪戦

 長徳寺蘇民祭(同祭保存協力会主催、岩手日日新聞社など後援)は1日、一関市藤沢町保呂羽の同寺で開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大が人々の生活に影を落とす中、疫病退散を願う心を一つに祭りを決行。蘇民袋争奪戦では下帯姿の男衆30人余りが清め水を浴びながら激しい肉弾戦を展開し、市内外から訪れた参拝者らを沸かせた。

 同祭は同市花泉町に祭られていた不動尊を1894(明治27)年に同寺が譲り受けて以来続き、一時行われていた蘇民袋争奪戦を不動尊鎮座120年を記念して2014年に復活させ、現在に至る。

 同日も同寺近くの雉子川(黄海川)で水垢離(ごり)した男衆が「ジャッソー、ジャッソー」と勇ましい掛け声を響かせながら、境内で柴燈木(ひたき)登りや鬼子登り、蘇民袋争奪戦を次々と繰り広げた。

 渋谷真之住職は「新型コロナウイルスの感染拡大で催事の自粛が相次ぐ中、関係者が議論を重ね、きょうの日を迎えた。疫病を退散させようと、蘇民祭が始まり、先祖代々受け継がれてきた。祈ることは『生きる思い』だ」と決行の意義を語った。

 同寺の蘇民祭は地域や宗派など問わず参拝者をもてなすのが特徴で、例年は精進料理を提供して本堂内でアトラクションを楽しみながら自由に飲食してもらえるようにしているが、感染防止対策として規模を縮小し、料理を持ち帰ってもらうなどした。

momottoメモ

▲朝日を浴びながら水垢離する男衆
▲長徳寺蘇民祭の参拝者らをもてなそうと併催された「ふじさわ吊るし雛まつり」

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