一関・平泉

伊藤さん(舞川)大臣賞 あじさい園整備評価 国土緑化推進機構【一関】

みちのくあじさい園内を見回る伊藤さん。緑化推進の取り組みが認められ、農林水産大臣賞に輝いた

 一関市舞川の伊藤達朗さん(78)は、国土緑化推進機構が表彰する2019年度緑化功労者で最高賞となる農林水産大臣賞(感謝状)に輝いた。所有する森林にアジサイを植栽し、現在では全国から多くのファンが訪れる「みちのくあじさい園」を整備したことやアジサイを活用した取り組みなど長年にわたる緑化運動が高い評価を得た。

 緑化功労者は、森林造成や地域環境緑化の推進、森林レクリエーション活動などの国土緑化運動で顕著な功績があった人を表彰するために1965年度に始まった制度。今年度は同機構会長賞などに全国から18人が選ばれ、伊藤さんは本県で唯一受賞した。

 伊藤さんは同市舞川出身。県立一関二高、東北学院大経済学部を卒業後、東京の会社で3年間勤務した後Uターン。市内の企業で経営に携わる傍ら、荒れ果てた古里の山々に心を痛め、家業の林業に携わるようになった。

 所有する森林を整備していく中、83年にスギ材の手入れとしてアジサイを挿し木したのがきっかけでアジサイの本格的な植栽に着手し、同園を開園。98年から地域住民と協働で毎年初夏に「みちのくあじさいまつり」を開催しており、約15ヘクタールの園内に約400種、4万株のアジサイが植栽された2019年のまつりにも全国から多くの観光客が訪れた。

▲みちのくあじさい園(2018年7月)

 住民にアジサイの苗を提供し、同園に通じる道路沿いや住民の各庭先に植栽する「あじさいの郷づくり運動」によって地域活性化を推進。10年から昨年まで、咲き終えたアジサイの花を活用したプリザーブドフラワーの加工販売を通じ、地域の雇用確保や高齢者の所得向上、地域コミュニティーの形成に大きく貢献した。

 大臣表彰について、伊藤さんは「37年にわたって取り組むことができたのは、地域の皆さまの協力があってこそ。本当にありがたい」と感謝している。

 表彰式は5月31日に島根県で開催予定の第71回全国植樹祭で行われる。

▲青紫色のクロヒメが見頃の「みちのくあじさいまつり」(2019年6月)

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