奥州・金ケ崎

対策基本の徹底が鍵 仲本奥州保健所長に聞く 新型コロナウイルスの注意点

 新型コロナウイルスの感染予防はさまざまな情報がある。せきエチケット、手洗い、手指消毒、環境消毒、換気といった対策を組み合わせた感染対策の基本の徹底が鍵だと奥州保健所長の仲本光一さん(62)は語る。新型コロナウイルスの注意点や検査について聞いた。

 ―新型コロナウイルスとは。

 中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などと同じコロナウイルス。現在はワクチンや特別な治療薬がなく、症状に合わせた対症療法が行われている。感染症の主な症状は、発熱、せき、頭痛、倦怠(けんたい)感。一般的な風邪に似た症状だが、長引く傾向がある。感染しても症状の表れない人、軽微な人もいる。特に注意が必要な人は高齢者をはじめ、糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある人といい、重症化する傾向がある。潜伏期間は2~12・5日と言われ、5日目ぐらいから発症する人が多いようだ。

 ―感染経路は。

 主に、せきやくしゃみ、つば、鼻水などで飛び散ったしぶきの中に含まれるウイルスを口や鼻から吸い込むことによる飛沫(ひまつ)感染と、ウイルスが付着した手で鼻や口、目に触れて粘膜を通じてウイルスが体内に入る接触感染。気を付けたいのは、感染者がくしゃみやせきなどを手で押さえて、その後にドアノブ、スイッチ、手すりなどに触れてウイルスが残っていること。(そこを)後から触った人の手などにウイルスが付着することでも感染する。

 ―よく言われる「濃厚接触」とは。

 発症者と同居している、発症者と閉鎖空間で一緒にいた、発症者のせき、くしゃみのしぶき、鼻水などの体液に直接触れたことを言う。

 ―気になる人はどうすればよいか。

 海外への渡航歴のある人や、渡航歴のある人と接触する機会があって、数日から12日後に発熱やせきなどの症状がある人は外出を控える。どうしても人前に出るとき、外出するときはマスクを着けて人の多い所は避ける。マスクの穴はウイルスを防ぐ目的としては大きいが、飛沫を受け止めるトラップになる。着けるときに気を付けたいのは正しい着け方。鼻から下顎まで隙間なくしっかりと覆う。もう一つ大事なのは外し方で、マスクの表面には触らずにひもを持って外す。そのままごみ箱へ捨てる。着けている時でもウイルスなどが付着する表面に触れるのはよくない。外したらすぐに手指を洗うかアルコール消毒するのも忘れずに行ってほしい。

 ―せきエチケットで大事なことは。

 マスクを着けるのが第一で、せきやくしゃみをするときにはティッシュで口と鼻を覆い、周囲の人から顔を背けて1メートル以上離れる。ティッシュはすぐに捨てる。

 ―手洗いも大事だというが。

 外出から戻ったらすぐに流水とせっけんで洗う。せっけんでも手に付いたウイルスなどを十分に減らす効果はある。手のひらにせっけんを取りこすり合わせ、手の甲は伸ばすように、指先や爪の間、指の間を十分に洗う。親指は手のひらでねじるように、手首もしっかりと洗ったら、流水ですすいでペーパータオルで拭く。家庭でタオルを使うときには共有しないようにしてほしい。手を洗うタイミングとしては外出から戻った後、多くの人が触れたと思われる場所を触った時、せき、くしゃみ、鼻をかんだ後、症状のある人の看病などをした後、料理を作る前、食事の前、家族やペットなどの排泄(はいせつ)物を取り扱った後、トイレ利用後。

 ―環境消毒とは。

 せきやくしゃみの後、手すりやテーブル、ドアノブなどに触れることで、ウイルスなどが表面に付く。付着したウイルスは数時間は生きているので、1日1~2回消毒することが必要だ。消毒用のアルコール不足の現状では、次亜塩素酸ナトリウムの液体漂白剤(濃度5%)を薄めて使うのを勧める。環境消毒用としての薄め方は2リットルのペットボトルに漂白剤10ミリリットルを入れる。その液をティッシュに含ませてドアノブや照明のスイッチ、リモコンなどを拭く。消毒とともに、部屋のウイルス量を減らすための換気も対策としては有効で、2~3時間に1回は窓や扉を開ける。

 ―PCR検査について教えてほしい。

 県内は民間での検査を行っていないため、県環境保健研究センターのみで実施している。検査はウイルスの遺伝子を増幅させて行うが、感度は70%、一説には40%ともいわれる。感度70%ということは、つまり陽性のうち3割は陰性となる。反対に実際は陰性でも陽性となるケースも1%ほどある。検体が増えれば、こうした数が増えることから問診して絞っていくことで検査の有効性を上げることが大事になる。

 ―今後について考えていることは。

 限られた医療資源を弱者のために使うこと。ワクチンや治療薬の開発が進んでいる段階で、感染拡大を防ぐことが求められる。せきエチケット、手指洗浄、環境消毒、換気といった感染対策の基本を守ることが他の感染症の予防にもつながるので、ここでしっかりした意識付けができればよい。

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