一関・平泉

マスク不足 救うヒーロー 「伊達な夫」に感謝 一関病院に匿名で寄付

一関病院に贈られたマスクを前に手紙を読む佐藤院長。「ありがたく使わせていただく」と感謝する

 マスクの品薄状態が続く中、一関市大手町の一関病院(佐藤隆次院長)に「タイガー白マスク 伊達な夫(おと)」と名乗る人物からマスク135枚が寄付された。同院は「マスクが足りない時期にこれほどのことをしていただき感謝しかない。ありがたく使わせてもらう」としている。

 マスクが寄付されたのは10日午後3時ごろ。40~50代とみられる大柄の男性が同院の総合案内を訪れ、「預かってください」と紙袋を差し出した。同院医事課主事の佐々木仁美さん(32)が紙袋を受け取って名前を聞こうとしたが、中身が落ちて拾っている間に、男性は「匿名で」とだけ告げて立ち去ったという。

 マスクは大きめサイズと普通サイズの1箱30枚入り4箱と、バラでビニール袋に入れられた15枚。紙袋には「一関病院長様へ」と書かれた封筒が貼り付けられ、手紙が1枚入っていた。手紙は「貴院が取り組まれている医療と地域貢献につきまして、心から感謝と崇敬させていただいている者です」と始まり、看護師や助産師など医療現場の第一線で患者に接する職員を重点に使用してほしい旨が記されていた。

 同院には300人弱の職員が勤務。現在は新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスクの供給不足を補うため、患者と接触する部門に限定してマスクを配布しているほか、マスクの内側にガーゼを当てて1~2日で交換しながら急場をしのいでいる。

 こうした状況の中、同院は地域貢献として5日にハンドソープ72本を市を通じて市内の放課後児童クラブ19施設に贈ってもいる。

 今回のマスク寄付について佐藤院長は「びっくりしたし、うれしかった。匿名で頂いたので直接お礼を言えないが、紙面を借りて感謝を伝えたい。こういう時だからこそ、みんなでつながればいいのではないか」と語っている。

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