奥州・金ケ崎

日高火防祭 中止に 新型コロナ 東日本大震災以来【奥州】

日高火防祭の締めくくりに水沢駅通りを練り歩くはやし屋台(2019年4月29日)

 2020年度日高火防祭(ひぶせまつり)実行委員会(会長・小沢昌記奥州市長)は12日、市役所で第2回理事会を開催し、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、同市水沢で予定していた同祭の4月28日の前夜祭、同29日の本祭の中止を決定した。前夜祭・本祭の中止は東日本大震災発生に伴う11年以来。日高神社火防祭保存会では、神事については規模縮小の上、実施する方向としている。

 協議では、冒頭に小沢市長が「人が密集する場面が多く出て、国の指針からすると極めて危険な状況が祭りの期間出現する。本当に開催できるだろうかという部分について、大きな方向として出ている状況」などと、春まつりに対する市の考え方について説明。また、保存会は同祭屋台持町組協議会での話し合いについて報告し、複数の町組で屋台登場予定者からの断りが入っていることなどに触れ、「今回の開催は難しいというのが全体的な雰囲気」と状況を示した。

 小沢市長が「旧町組から成る日高火防祭については4月以外の開催はおそらく無理。(20年度の)前夜祭、本祭は断腸の思いであるが中止させていただくとの方向で決定したい」と提案し、出席者も同意した。今年の祭りに関係する経費関係についても「町組の会議を開催し、対応についてしっかりと配慮できるような形を整えてまいりたい」と述べた。

 保存会の及川右会長(実行委副会長)は「9年前の3・11の時に中止になり、戦後にも休んだこともある。今のコロナウイルスに対する先が見えない中で、残念だが中止はやむを得ない」と語る。11年の中止の際、神事については実施しているが、今後の対応については三役と事務局で相談し対応するとした上で「神事は基本的にやる方向だ」としている。

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 日高火防祭 江戸時代に起きた大火を受け、水沢留守家の当主が火伏を祈願したことで始まった祭りで、演奏される屋台囃(ばやし)は県無形民俗文化財に指定されている。9町組のはやし屋台が雅やかな音曲を奏でながら運行。実行委によると、19年の入り込み者数は2日間で11万2000人。

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