花巻

門出に彩り添えて 市内の中学卒業生へ カンパニュラ無償提供【花巻】

中学卒業生に提供されるカンパニュラを見詰める佐藤さん

 JAいわて花巻や花巻市などで構成する市農業振興対策本部(本部長・上田東一市長)と同JA花巻地域花き生産部会(高橋誠部会長)は、市内中学校の卒業生に花巻産カンパニュラを無償提供する。新型コロナウイルスの拡大に伴う式典の中止や規模縮小により、花きの需要低迷が懸念されるのを踏まえた取り組みで、同市が日本有数の品質、生産量を誇るカンパニュラが門出に彩りを添える。

 提供するのは、同JA管内で生産する青色系統の花の総称「花巻ブルー」の一つのカンパニュラ。今回のイベントや祝い事の縮小・中止などにより花き生産農家の経営悪化が予想されることから、部会員の生産した花を同本部が買い取り、全11校の卒業生864人にブルーかピンクのどちらか1本が配られる。

 卒業式が行われる22、23日に合わせ、花巻園芸センターに持ち込まれた花を同本部担当者が1本ずつラッピングして「卒業おめでとう」のラベルなどを貼り、各学校に届ける予定だ。

 カンパニュラの花言葉は「感謝」「誠実」。6万本ほどを生産する同市石鳥谷町新堀の佐藤祐一さん(68)は「卒業式、卒園式や入学式などのイベントがないと花の単価が下がり、売り上げが落ちる。彼岸などで一定の需要があるが、その後の反動が心配だ。カンパニュラを配ることが親への感謝を考える機会になり、母の日などでまた使ってもらいたい」と語った。

 同JAによると、花巻地域のカンパニュラの19年度販売実績は販売額が2804万円、出荷本数は52万9360本。生産者は約50人。2月中旬から出荷が始まり、5、6月に最盛期を迎える。同JA営農部では「今回の取り組みが、子供たちが花に親しみ、今後花屋に足を運ぶきっかけになれば」としている。

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