奥州・金ケ崎

規模縮小し春の催し実施へ えさし藤原の郷 新型コロナ感染防止図る 来園者にポストカード贈呈【奥州】

えさし藤原の郷で来園への感謝を込め、来園者にプレゼントしているポストカード。同園では感染症対策を図りながら、今後ライトアップなど春の催し物の実施を検討している

 奥州市江刺岩谷堂字小名丸の歴史公園えさし藤原の郷は、例年4~5月に企画している春期間の催しについて、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を図りながら例年より規模を縮小しつつ、ライトアップなどのイベントを実施する方針だ。同園では国内外ツアー客のキャンセルが相次ぐなど同感染症で大きな影響を受ける一方、足を運んでくれた来園者へ感謝を込めてポストカードをプレゼントする新たな取り組みも進め、同市を代表する観光施設として前を見据える。

 同園は例年、4月半ばから5月のゴールデンウイークまでの時期を中心に「春まつり」を開催。企画展やキャラクターショーなどのイベントに加え、2019年は園内の桜を照らす「春爛漫(らんまん)ライトアップ」と、政庁を映像と音で飾るプロジェクションマッピングを新たに企画し、誘客につなげていた。

 同園を管理運営する江刺開発振興によると、感染症拡大防止のため、人が密集する状況ができやすいキャラクターショーは取りやめる方向で検討。市内外のイベントをめぐる状況を勘案し、今年は「春まつり」との銘打ちをしない予定だ。

 一方、ライトアップやプロジェクションマッピングについては「屋外であり、1カ所にとどまらず散策して楽しんでもらえることを基本にしている」として開催する予定で、このほか、企画展も実施を検討。園内各所への消毒液配置、接客対応スタッフのマスク着用など現在行っている対応も継続しながら来園者の受け入れを図っていく考えだ。

 同感染症の世界的な拡大の中で、同市を代表する観光施設である藤原の郷でも好調だった台湾などからインバウンド客をはじめ国内外のツアー客のキャンセルが相次ぎ、今月12日現在でキャンセル数は77件、3400人にのぼるという。同社では「2月中旬ごろまでは普通に来ていたが、渡航制限などもあり、5月上旬までのツアーはなくなっている。台湾の旅行関係者からは感染症が終息した折には秋ごろからツアーを考え始めたいとの話もあった。落ち着くまでは我慢かと思うが、先の見えない闘いが続く」と語る。

 同園では7日から来園者に対し、来園への感謝を込めてポストカードの贈呈を始めた。奥州江刺農畜産物・物産・観光PRキャラバン実行委が今年度に5000枚作製したもので、四季折々の園内風景を捉えた写真で彩られている。

 同社は「コロナの影響で客足が遠のいている中で、感謝の気持ちとともに、新緑や桜の季節などにも来てもらえればとの思いを込めている。『この時期に来てみたい』と言う方もいて好評」と話す。

 20~22日の3日間は近隣県の家族連れなども足を運んでいたといい「お客さまに来てもらうのがなりわい。経済活動をとどまらせないようにするためにも催しはある程度開催していきたい。地域住民などが楽しむ場所も提供していきたい」としている。

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