青空の下 ごう音響く 真湯―須川高原温泉間 除雪作業始まる【一関】
秋田県に通じる一関市厳美町の真湯―須川高原温泉間の国道342号(14・9キロ)で27日、冬季通行止め解除に向け除雪作業が始まった。暖冬の影響か積雪は例年より少ないものの、県境の交通・観光の要衝となる区間だけに安全を確保できるよう慎重に進められている。開通は大型連休前の4月下旬と見込まれる。
除雪作業に先立ち安全を祈願する神事が真湯ゲート前で行われ、国道342号を管理する県南広域振興局一関土木センター職員や、作業を受託した業者ら約30人が参列。40年以上にわたって同区間の除雪に従事してきた同市山目の建設業「甲南」に対し、同センターから感謝状が贈呈された。
引き続き、バックホーやロータリー除雪車など計5台が須川高原温泉方面に向け出発。真湯ゲート付近では例年、1~2メートルの積雪が見られるが今年はほとんどなく、青空から日差しが降り注ぐ穏やかな天候の下、除雪車はごう音を響かせながら日陰の路面に残る雪を吹き上げていた。
甲南の阿部忠義代表取締役は真湯ゲート付近の様子について「雪がこれほど少ない年は記憶にない。初めてではないか」と話した。
今後は春の大型連休前となる4月下旬の開通を目指し、除雪作業や、ガードケーブルなど安全施設の取り付け、補修が進められる。同センターの小野寺淳所長は「重機が届かない部分の雪が溶け出し、落石や雪崩が起きることも考えられる。今後の状況を見ながら開通を目指す」としている。