花巻

20年間で激減、15%に 富士大喫煙状況調査【花巻】

富士大生の喫煙状況などを調べた佐々木教授(左から3人目)のゼミのメンバーら

 花巻市下根子の富士大(岡田秀二学長)の佐々木安廣教授の教養ゼミは、1998年度から同大の喫煙状況を調査研究している。喫煙率は99年度の80%をピークに下降し、2019年度は15%まで下がった。20年間で喫煙者が激減したことが示されたほか、学生と喫煙の関わりをまとめることで、たばこの害や健康を考えてもらう機会にもなっている。

 今年度はゼミに所属する1年生10人が調査。「家族に喫煙者がいるか」「たばこを最初に吸ったのはいつか」「動機は何か」「1日に何本吸っているか」などのアンケートを実施し、18~25歳の男子学生354人、女子学生67人の計421人から回答があった。

 喫煙率は前年度の20%から5ポイント減少。過去最低となった17年度の14%に並ぶ水準となり、学生のたばこ離れが進んでいることが分かった。喫煙が体に及ぼす害の知識が深まったことで部活動への影響を考える人が増加したほか、大学内の喫煙所が減ったこと、たばこの値上がりなどが要因として考えられるという。

 1日の本数は1~10本が51%、11~20本が36%、21~30本が8%。たばこの害については「気にしている」が16%、「時々気にしている」が53%で、さらに「将来、たばこをやめたい」という人は76%に上った。喫煙している理由は「やめられないから」「ただ何となく」がともに3割を占め、依存性の強さや意識の低さが浮き彫りになった。

 非喫煙者の「たばこを吸わない理由」は「健康に悪い」「金の無駄」「煙やにおいが嫌い」の順。近くでたばこを吸われることに対しては35%が「非常に気分が悪い」、33%が「少々気分が悪い」、31%が「何も感じない」だった。非喫煙者のうち禁煙に成功した人は5%だった。

 ゼミ生や昨年度取り組んだ学生らはアンケート結果について考察し、「禁煙に失敗した人も多く、なかなかやめられないものと分かった」「一つ一つのデータをまとめるのが大変だった」「喫煙率は学年によってばらつきがあると思う」「吸う人がもっと減るようにたばこの害を呼び掛けたい」などと感想を言い合った。

 了戒駿斗ゼミ長(19)は「先輩たちが調べてきた結果があって、学生の喫煙率が下がったことを証明できた。たばこを吸う人にも理由はあるが、近くで吸ってほしくない人も多い。周りの人に気を配ることが大事だ」と実感。佐々木教授は「学生がまとまって活動し、一定の結果を出すことができた。喫煙者、非喫煙者ともたばこにもっと意識を持ってもらう取り組みが求められる」と話していた。

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