花巻

復興の思い「つむぐ」 被災地産米で日本酒 化学メーカー・デンカ(東京) 地域貢献継続へ意欲【花巻】

「tumugu」を製造したデンカの高橋東北支店長(右)とデンカアヅミンの増田社長

 東京都の化学メーカーのデンカ(山本学代表取締役社長)は、グループ会社で肥料メーカーのデンカアヅミン(花巻市二枚橋、増田隆仁代表取締役社長)の協力を得て、東日本大震災の被災地のコメを使った日本酒「tumugu(つむぐ)」を製造した。同市石鳥谷町の川村酒造店が醸造。取引先などに配るノベルティーとして手掛けたもので、復興支援のボランティア活動が純米生原酒として結実した。

 デンカは震災が発生した2011年から宮城県南三陸町に延べ900人を派遣し、ボランティア活動を続けている。農地再生、生産安定に向けて定植や収穫、除草の手伝い、地下排水溝の導入、施肥の指導などに取り組んできた経緯があり、今回、グループ社製品を使い復田した圃場(ほじょう)の19年産「ひとめぼれ」を原料に日本酒造りを企画した。

 同社と南三陸町とのつながり、携わってきた人々の思いを「つむぐ」という意味で、ボランティア活動に参加した新入社員が命名。発酵タンクから直接ろ過し火入れせず瓶詰めした生酒で、炭酸ガスや米、酵母が含まれ、フレッシュで甘みある飲み口が特徴という。

 デンカアヅミンは、南三陸町の農業者と川村酒造店の橋渡し役を担ったほか、稲の根を活性化する同社の腐植酸苦土肥料「アヅミン」が使用された。増田社長は「岩手の作物に肥料で貢献したいと考えている。地元の酒蔵と連携しておいしい酒を作ることができてうれしい。コメ、肥料、資材について話ができたので、これからもいろいろ提案させてもらいたい」と語った。

 コメ1・8トンを使用し、今年1月に純米生原酒1000本(720ミリリットル)を製造。既に取引先に配布している。残りは火入れ、瓶詰めし、5月ごろに純米酒として約1000本が出来上がる予定。デンカでは今後も地域貢献活動として日本酒製造を継続する考えだ。

 デンカの高橋晃哉東北支店長は「復興はまだ道半ば。インフラ関係の資材を扱っているメーカーとして、さらに地元の発展に尽力していきたいし、こうした事業を通じて復興の思いを広めたい」と話していた。

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