花巻

早池峰ダムでワイン熟成 貯蔵実験スタート 大迫・生産農家「葡萄研究会」 堤体内活用策探る【花巻】

地元産ブドウを使ったワインが搬入された

 花巻市大迫町のブドウ生産農家らでつくる大迫醸造用葡萄(ぶどう)研究会(佐藤格会長、会員35人)は31日、同町内川目の早池峰ダム堤体内に瓶ワインを貯蔵する実験をスタートさせた。同ダム竣工(しゅんこう)20周年を記念した試みで、生産者14人による赤、白合わせて998本(1本720ミリリットル入り)を搬入。年間を通して気温が安定するトンネル内で保管し、貯蔵場所としての有効性を探る。

 同ダムを管理する県南広域振興局土木部花巻土木センターが地元に貢献できる取り組みを市と検討し、特産品として知られるワインの保存実験に提供した。

 貯蔵するのは堤体上部から約35メートル下がった位置にある監査廊で幅2・5メートル、高さ2・7メートルほど。コンクリートに囲まれていることから洞窟や鉱山坑道と同様に気温が10度前後と一定で、同センターによると、全国各地のダム監査廊でワインや日本酒の熟成を目的とした貯蔵事例があるという。

 同日は会員のブドウを使ってエーデルワインが醸造したワインがコンテナなどで運び込まれ、監査廊にずらりと並んだ。今後は1年ごとに出して試飲したり、ワインを追加したりして質の変化を確認、検証していく予定で、同研究会事務局の同社では「ワインの劣化につながる光や温度・湿度の変化が抑えられるなど環境として優れており、良い方向に熟成が進むのではないか」と見込んでいる。

 ブドウ65アールを生産する同町大迫の佐藤直人さん(59)は赤ワインのツヴァイゲルトレーベ24本を搬入。これまでは自宅の蔵で貯蔵していたといい、「温度の上下があるので管理に難しさもあったが、ここでは味が落ち着くと思う。1年後に飲んでみて、うまくいくようならばさらに活用を考えたい」と期待を寄せた。

 同ダムは1級河川北上川水系稗貫川に建設した多目的ダムで、2000年に竣工。同センターの高橋淳史治水環境課長は「実験が成功し、将来的に早池峰ダムの名前を付けたワインが販売されればいいと思う。県としてもダムの知名度が上がることで訪れる人が増え、ダムの役割や防災について広く知ってもらえたらうれしい」と話していた。

▲早池峰ダム堤体内で始まったワイン貯蔵実験

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