花巻

中国からマスク1万枚 市へ寄贈、安全願う 医療機関で活用【花巻】

中国から贈られたマスクの入った段ボールを上田市長(左)に手渡す木村会長

 新型コロナウイルスの影響でマスクの入手が困難になる中、花巻市は3日、アジア通信社(東京都港区)の徐静波代表取締役(56)からマスク1万枚の寄贈を受けた。徐代表取締役の代理が市役所に届けた。同市ではマスクが不足している市内の医療機関などに活用する。

 同日は、徐代表取締役と20年来の友人である木村設計A・T(花巻市下小舟渡)の木村清且取締役会長(69)と、木村直樹代表取締役(41)が代理人として市役所を来訪した。

 木村会長によると、マスクは中国江蘇省泰州市海陵区から贈られたもので、徐代表取締役の投資する工場が同区にあるなどの縁があり、日本への支援を申し出たという。仲介した徐代表取締役も「銀河鉄道の夜」など優れた作品を生んだ宮沢賢治を尊敬し、花巻市には頻繁に訪れており、今回は同市の安全を願って友人の木村会長にマスクを託した。寄贈されたのは1箱にマスク2000枚が入った段ボール5個。箱には「一衣帯水 風雨同舟」(隣国として共に困難を乗り越えよう)というメッセージが記載されている。

 市役所でマスクを受け取った上田市長は「市で備蓄していた5万枚が新型コロナの影響で2万7000枚ほどに減っている。入手できない状況が続いているので、本当にありがたい。医療現場を中心に配布したい」と感謝した。

 木村会長は「徐さんが東京の新型コロナの感染者が増加しているため、表敬訪問を見送ったので私が代わりに出席した。国内ではマスクが不足している状況なので申し出はうれしい。徐さんは足りなくなるようなら次の支援も検討していきたいと話している」と語った。

 徐代表取締役は日本の地方都市と友好都市を結ぶ中国各省・市などからの申し出を受け、これまでに宮城県気仙沼市や大分市にもマスクを届けている。

 花巻市ではマスクを市医師会、市歯科医師会を通じて市内の医療機関に配布するほか、介護施設にも配る予定。同日は花巻商工会議所に2000枚を寄贈した。

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