奥州・金ケ崎

故郷と仙台のつながり追う 謎解きシリーズ好評 佐々木さん(水沢出身)発行【奥州】

「奥州・仙台の謎解きシリーズ」を発行している佐々木さん

 奥州市水沢出身の佐々木伸さん(65)=仙台市泉区=は、両市の歴史や文化の意外なつながりを追う自費出版シリーズ「奥州・仙台の謎解き」を発行している。新たな情報が入る度に改版し、この春は1巻「逍遥歌 奥州と信州の知られざる絆」、2巻「伊達政宗卿 二・二六事件と騎馬像の謎」が新版に。佐々木さんは「両市の良さをつなげ、価値を高め発信したい」と執筆を続けている。

 佐々木さんは長年仙台で暮らし、奥州、水沢と仙台に共通の文化が流れていることを体感。仙台市役所を定年退職後、「地元学応援団」として故郷を含む地域の歴史や魅力を掘り起こして紹介している。

 「逍遥歌―」は、県立水沢高校に受け継がれている試合に負けた際の歌がテーマ。作られるまでの経緯や、旧制松本高校の寮歌と同じメロディーである理由などが長らく伝わっていなかったが、作詞者阿部庄一郎さんの周辺から解き明かしている。改版では関係者の写真や卒業生らの証言などを加え、同校創立110周年のタイミングでグレードアップされた。

 また「伊達政宗卿―」は、仙台城跡にある伊達政宗騎馬像を調査。像の台座の字を揮毫(きごう)したのが水沢出身で総理大臣を務めた斎藤實で、ほかにも仙台市内に多くの筆跡を残していることにスポットを当てた。改版では周辺の人物などを掘り下げ、新たに見付けた斎藤の揮毫も紹介している。

 ほかに3巻「がんばれ援歌 時空をこえた地元歌」、4巻「姉妹の天満宮 天神様と東北の知られざる縁」が既刊。北上夜曲や、菅原道真の妻子が奥州に配流された伝説などが題材となっている。

 7冊目まで構想があり、佐々木さんは「特に奥州市の歴史と文化はスケールが大きく、物語性も高い。両市の人とも互いの魅力的なつながりに気付く人が少ないので、両方で暮らした者の視点からつなげていきたい」と展望している。

 いずれもA5判、各税別700円。奥州市内では松田書店本店、同大鐘店で販売している。佐々木さんのホームページ(HP)から購入する場合、送料が別途必要。HPアドレスは次の通り。

 https://www.nazotoki.biz

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