花巻

被災地支援に感謝込め 明治神宮創建100年記念「神宮の杜芸術祝祭」 小原さん(太田)啓翁桜奉納 本県から唯一【花巻】

明治神宮関連イベントを前に啓翁桜の出荷準備をする小原さん=3月9日

 東京・明治神宮の創建100年を記念した芸術と文化の祭典「神宮の杜芸術祝祭」(実行委員会など主催)が、同神宮周辺で開催されている。3月に東北6県で栽培された啓翁桜(けいおうざくら)が奉納され、本県からは花巻市に住む男性が唯一出品。東日本大震災の被災地が受けた国内外からの支援に感謝の気持ちを伝えた。男性は「光栄なことで、これからの栽培の励みにもなる」と喜ぶ。

 日本人の自然観を体現した芸術や文化を展覧会やイベントで楽しんでもらう、芸術と文化のフェスティバル。3月から約1年間にわたって開催される予定。

 このうち東日本大震災をはじめ大規模災害に対する国内外の温かい支援に、感謝の気持ちを花で表現しようとの企画「サンクスフラワー・プロジェクト」が3月に行われた。本県から出品した花巻市太田の専業農家小原有幸さん(70)は16日に出荷し、東北6県で栽培されたものと一緒に19日奉納され、20~22日の3日間一般公開された。

 小原さんは20年以上前から啓翁桜を栽培。85アールに約850本を植え、今シーズンは約3000本を出荷。通常の規格は120センチだが、今回は2倍近い長さの230センチ品を20本奉納した。

 東京の市場から2019年11月に要請を受け、「光栄なことだが、品質の良い桜を準備し、出荷日に合わせて開花させることに苦労した」と気苦労は多かった。出荷最盛期には新型コロナウイルスの影響で卒業式が相次いで中止となり、需要が激減。出荷価格が半値以下に下落する苦境に立たされたばかりだっただけに、晴れの舞台でのお披露目に「小さいが多くの花を付ける啓翁桜の魅力を、大勢の人に楽しんでもらえたと思うとうれしい。素晴らしい桜を奉納できたことは、今後の栽培の励みになる」と満足している。

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