北上・西和賀

展勝地 光景一変 緊急宣言、人影まばら 新型コロナ【北上】

見頃を迎えた展勝地桜並木。例年と違い人の姿はまばらで、寂しい光景が広がっている=18日、北上市立花

 北上市立花の市立公園展勝地は、ソメイヨシノの桜並木が見頃を迎えている。ただ、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴うさくらまつり中止に加え、本県を含む全国への緊急事態宣言拡大、駐車場の全面閉鎖もあり、18日は週末にもかかわらず人の姿はまばら。例年とは違った寂しい光景が広がった。

 青森県弘前市、秋田県仙北市角館と共に「みちのく三大桜名所」の一つに数えられ、例年この時期に開催されている北上展勝地さくらまつり。期間中、県内外や海外から40万人余りが訪れているが、今年は感染拡大防止のため中止が決定。観光馬車や観光遊覧船、鬼剣舞公演といった各種イベントや屋台はなく、宴会は自粛。団体バスも駐車禁止としていた。

 桜の開花後、特に感染が拡大していた7都府県からの車両が多く見られ、公園管理者の市は「市民の安全確保のため」駐車場を17日から5月6日まで全面閉鎖。路上駐車防止へ周辺の主要地方道一関北上線の路肩にはコーンが置かれ、駐車場前にも警備員が配置されるなど徹底された。

 例年、桜が見頃の週末は駐車場付近に長蛇の列ができるほど渋滞するが、一転して今年は皆無。18日は雨降りの悪天候も重なり、満開に近い桜の周辺は静けさが漂った。

 駐車場は閉鎖されたが、桜並木の散策を楽しむ人はちらほら。紫波町の女性(68)は「毎年来ているが、いつもと違って今年は全然人がいない。ゆっくり歩けるのはいいが、せっかく花が咲いているのにもったいない。コロナが収束しないうちは我慢するしかない」と話していた。

 市は「観光地でこうした措置は心苦しいが、(ウイルス感染拡大防止の)事情を踏まえ理解をいただきたい」としている。

 展勝地レストハウスも休業。一帯のみちのく民俗村は入場できるが、市立博物館は県外客と団体客は入館できない。

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