一関・平泉

【新型コロナ】医療従事者を支援 フェースシールド製作 一関、奥州医師会寄贈へ オオヌマ義肢県南製作所

自作のフェースシールドを手にする大沼所長

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、苦労の中で作業を続ける医療従事者を支援しようと、一関市三関のオオヌマ義肢県南製作所(大沼拓哉所長)は、飛沫(ひまつ)防止のためのフェースシールドの製作を進めている。義手や義足製作を手掛ける技術を生かしながら考案し、飛沫をガードするアクリル板を交換しやすくするよう工夫を施した。一関、奥州両市の医師会に寄付する予定で、医療従事者にとって心強い味方となりそうだ。

 同製作所では、義手や義足、体幹装具などを製作している。大沼所長が医療関係者と接する中で、マスクだけでなく飛沫防止のための装備品が不足し、事務員らが手作りしていることを知って「私にできることは何かないか」と考えた結果、義肢装具士としての技術を生かしフェースシールドを製作して寄贈することにしたという。

 今月初旬から構想を練り始め、20日ごろから本格的に製作に取り掛かった。前頭部にはコルセットなどでも用いられるプラスチック、後頭部にはゴムバンドを活用。汚染物質が付着する透明アクリル板を交換しやすくなるにはどうすればいいか試行錯誤を繰り広げたが、マジックテープを導入することで作業時にはしっかり固定される一方、容易に取り外せるようにした。

 大沼所長を含め職人3人が通常の作業の合間を縫ってフェースシールドの製作に当たっている。既に奥州市の総合水沢病院に5個寄贈しているが、今後は5月半ばまでに100個を目標に製作を進め、一関、奥州両市の医師会に順次寄贈し、医療従事者の元に届けてもらう。

 大沼所長は「医療現場では通常でも神経を使って多忙な勤務をしているが、それに加えて新型コロナによりますます多忙になっている。自分にできることは作ることで、まずは医療従事者の人たちが医療に専念できるような体制になってもらうのが一番いい」と語っている。

▲100個を目標にフェースシールドの製作を進め、医師会に寄贈を予定している

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