奥州・金ケ崎

調達資金、扱い検討 経済への影響も懸念 奥州市卓球競技会場 全国高総体中止

全国高総体卓球競技の会場となる予定だった奥州市総合体育館。玄関に張り紙をして開催をPRしてきたが、中止が決まった

 新型コロナウイルスの感染拡大で2020年度全国高校総合体育大会(全国高総体)の中止が決まり、卓球競技の会場となる予定だった奥州市は対応に追われている。クラウドファンディング(CF)で集めた開催経費は取り扱いを検討中。PR関連資材の整備、選手強化事業への補助など使用済みの経費もあり、関係者の落胆は大きい。宿泊施設はキャンセル料発生前だったものの、大口需要が消えたことで地域経済への影響も懸念される。

 今年度の全国高総体は、既に延期が決まった東京五輪・パラリンピックの影響で全国に分散開催し、卓球競技を8月に奥州市総合体育館(Zアリーナ)で行う予定だった。

 同大会市実行委員会(会長・小沢昌記市長)によると、CFは同体育館サブアリーナへの仮設冷房設備設置と会場へのアクセス向上対策の経費増額名目で213万5000円を集めていた。募集業者への手数料などを考慮し、全国高校体育連盟と扱いを調整中。出資者への返金が前提だが、21年度以降の全国高総体に活用できる道もあるといい、確定次第ホームページなどを通じて周知する。

 PR関連では、のぼり旗100本、ポスター500枚などを作製済み。費用が市の負担となるかを全国高体連に確認する。

 地元開催に向け、市は19年度までに市卓球協会の選手強化事業に計約300万円を補助していた。地元の高校生にとっても、大会運営の補助を通して全国レベルのプレーを間近で見られる貴重な機会が失われた。

 宿泊施設は大会関係者分だけで北上、一関両市など近隣を含めて仮予約を取っていた。宿泊業は既に新型コロナで経済的打撃を受けており、影響が長期化する恐れがある。

 今後、市実行委は事業費の確定や解散に向けた準備を進める。小沢市長は「頑張ってきた高校生の気持ちを考えると非常に残念でならないが、全国的に感染が収束しておらず、安全を考えると中止もやむを得ない。一日も早く通常の生活ができることを切に願う」とコメントした。

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