一関・平泉

「仕方ない」「悔しい」 一関市内選手ら 胸中複雑 全国高総体中止

全国高総体の中止にショックを受けながらも、練習に励む一関工バスケ部の選手たち

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、史上初の中止が決まった今夏の全国高校総合体育大会(全国高総体)。高校生アスリートにとっての夢舞台が消えたことに、一関市内の選手たちも大きな衝撃を受けている。選手と指導者は中止の判断を受け止めながらも、複雑な心境をのぞかせる。

 中止の一報を受け、3年生選手からは落胆の声が上がった。トラック種目で全国高総体を目指していた一関学院陸上競技部。千葉裕司監督は「(中止は)生徒のことを思うと仕方がない」と理解を示す。武田和馬主将は「命に関わることなのでどうしようもないが、結果を出す機会を失ったことは悔しい」と唇をかむ。

 7度の出場を果たしている同女子バスケットボール部の土田芙月主将は「世界的な問題なのでしょうがない。2年生の時は1度も全国に出場できず、目標としていただけに悲しい」と肩を落とした。

 山田繁監督は「安全確保のためにはやむを得ないが、生徒にとっては本当に気の毒でならない。何らかの形で代替の大会があっても良いのではないか」と選手の気持ちを推し量った。

 3連覇を目指していた一関工バスケットボール部の菅原佳依主将は「県高総体がなくなった時から、こうなるのではないかと思っていた。チームも去年よりも大きくレベルアップしていたので、試合をしたかった」と心の内を語った。

 後藤靖宏監督は「指導者を含めて誰もが経験したことがないこと。完全に感染が終息するまで大会を開催するのは難しい。選手たちは気持ちを保っているように見えるが、内心は本当に悔しいはず」と思いやった。

 無念さを押し殺しながら、一関学院陸上競技部は全国高校駅伝競走大会、菅原、土田両主将は全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)と冬の全国大会に照準を合わせる。武田主将は「モチベーションの維持は難しいが、全国高校駅伝競走大会での8位入賞に向け、気持ちを切り替えて練習に励む」と前を向く。

 土田主将は「次の準備期間ができたと前向きに捉えていきたい」と声を絞り出し、菅原主将は「今できることをしっかりやるしかない。早く収束し、ウインターカップは開催してほしい」と願う。

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