奥州・金ケ崎

電波望遠鏡継続へ署名 天文愛好家ら呼び掛け VERAプロジェクト【奥州】

電波望遠鏡の長期的な運用継続に向けて署名活動を展開しているVERAサポーターズクラブ。街頭も視野に入れた活動を打ち合わせた

 国立天文台水沢VLBI観測所が運用しているVERAプロジェクトの電波望遠鏡が予算不足で運用継続できなくなる事態を憂慮し、奥州市、金ケ崎町の天文愛好家7人が呼び掛け人となって署名活動を展開している。現在はインターネットでの協力呼び掛けだが、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛解除後には街頭署名で広く呼び掛ける考えだ。

 署名活動のきっかけは、同町三ケ尻の会社員木村隆さん(48)が「観測所は大切な場所。閉鎖されることになれば子供たちの科学が好きになる芽を摘むことになる」と仲間に呼び掛けたこと。これに応じた天文愛好家7人が「VERAサポーターズクラブ」を結成。呼び掛け人となって4月23日から署名を募り始めた。

 同クラブは施設運用継続を請願する署名を2万人を目標に集め、文部科学大臣に提出。奥州、金ケ崎を中心に県内に協力を訴える。ネットでの署名だけでなく、紙での署名活動の展開を予定。3日には、呼び掛け人4人が集まって打ち合わせを行った。

 木村さんは「VERAには、天文学者、学生、子供たち、さまざまな人の夢が詰まっている」と強調。またメンバーも「120年の歴史を感じる数少ない場所」「宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』など文学的な面からも大事な場所」などと、VERAプロジェクトを存続させ、同観測所を大切にしていく意義を語っていた。

 当面はネットのみでの呼び掛けになるが自粛解除の時を待ち、街頭署名の準備を進めることを申し合わせている。さらにVERAでつながっている水沢を除く3市村への波及もにらんでいるが「まずはここでしっかりベースをつくる」と話している。木村さんは「署名活動は初めてで手探り状態。より多くの署名を集めて存続させる力になりたい」と意欲を語っている。

 署名サイトのURLはhttp://chng.it/6kS5snj6

▲「VERAプロジェクトの4局の電波望遠鏡の長期的な運用継続を応援しよう」のQRコード

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