一関・平泉

ナス栽培 若手も奮闘 産地PRへ動画配信 就農2年目 千葉琢磨さん(39)花泉【一関】

一関市花泉町永井でナス栽培に励む千葉さん。就農2年目で「収量増に挑戦したい」と意気込む

 東北有数のナス産地である一関地方で今シーズンの栽培が進み、若手農業者も奮闘している。一関市花泉町永井の千葉琢磨さん(39)は就農2年目を迎え、収量増やインターネット動画配信などに挑戦する。ベテランからの指導と経験を踏まえ、新型コロナウイルスが感染拡大する中でも「食べ物をしっかり作り、農家の責任を果たす」と意気込む。

 千葉さんは結婚を機に東京都から妻の実家がある岩手に移住。市の支援事業を活用して研修を積み、新規就農した2019年は栽培管理などが評価され、JAいわて平泉なす生産部会で立毛共励会の最優秀賞、反収賞、新人賞を受けた。「産地である強みを改めて感じた。栽培管理もそうだし、JAいわて平泉のナスが市場やお客さんから評価されていることも一朝一夕ではできない。先輩が築いてきた土台の上でやらせてもらっている」と振り返る。

 今シーズンは引き続きハウス栽培に取り組み、7・4アールに576本を定植した。3月15日に定植した後で3分の1の苗はネズミの被害に遭ってしまったが、若手農業者仲間が植え直しを手伝ってくれ、研修時の師匠が苗を分けてくれるなどして助けられた。収穫、出荷作業は11月末まで続く。

 就農1年目と比べて作業がスムーズにできるようになり、状況を見る目も肥えてきたと実感している。今シーズンは水管理、ハチの導入時期などを改善し、栽培面積は同じながらも収量を増やすことに挑戦する。

 ナス産地としてだけでなく一関地方の魅力を発信する活動にも意欲的だ。田舎暮らしや農業の良さを伝えたいと、インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」で「田舎暮らしクマちゃんねる」を開設し、ナスの栽培日記などを発信している。若手農業者と地元飲食店が連携してナス料理を提供する「ナスフェス」なども企画する。

 新型コロナウイルスの感染拡大で収束は見通せない状況にあるが、「農家がいなくなったら食べ物がなくなってしまう。しっかり仕事をして食べ物を作るという責任を果たしていく。やりがいがある」と語る。

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