奥州・金ケ崎

県外ナンバーでも安心 看板会社「キリ美装」 車用ステッカー製作 本県在住をアピール コロナ騒ぎで【金ケ崎】

キリ美装が製作した本県在住をアピールする自動車用のステッカー

 新型コロナウイルスの拡大による外出自粛を受け、県外ナンバーの自動車に乗る人への嫌がらせが問題となる中、看板製作などを手掛ける金ケ崎町三ケ尻勘九郎東のキリ美装(桐山昭夫代表取締役社長、従業員6人)は、本県在住をアピールする自動車用のステッカーを製作した。受注を受け町に納入したほか、一部は寄贈。県外企業の進出も多い町内の不安解消に役立てられる。

 感染拡大による政府の緊急事態宣言では都道府県間の移動の自粛が呼び掛けられたが、一方で県外ナンバーの車両に乗る本県在住者が県外から来たと誤解される例も確認されている。同社の桐山社長(47)は「近所の県外ナンバーの車に乗る子供を持つ母親が買い物などに出掛けるのをためらっていた。少しでも役に立つ物を作りたい」と発想。町からの要望もあり、社の職能を生かし12日にステッカーを完成させた。

 ステッカーは普通車・軽自動車用があり、▽ラミネート▽マグネット▽シール―の3種を製作。ダッシュボードや車外に貼り出せる。ナンバープレートを意識したデザインは、桐山社長が考案した。

 町が発注したラミネート型は、町内企業への需要聞き取りを基に20社以上に配布する。このほか同社は14日、普通車100台分、軽自動車25台分を3種セットで町に寄贈。寄贈分は15日から町役場企画財政課の窓口で対象者に配布される。

 県外ナンバーのため外出に抵抗感を持つ声は町にも届いており、髙橋由一町長は「県外から来て町内に住む方々が苦労なく一緒に生活するため役立つ」と取り組みに感謝していた。

 同社も感染拡大の影響で、イベント関連や大型連休中の需要を失うなど苦しい状況下での取り組み。桐山社長は「直面したことのない危機で仕事もなくなる一方だが、会社のモットー『伝わる、伝える』の下、力を合わせステッカーを作っている」と思いを語った。

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