白フジ 滝のごとし 藤沢・藤勢寺【一関】
一関市藤沢町の藤勢寺で、境内の白フジが見頃を迎えた。樹高約15メートルのカヤに力強く絡んで伸び、てっぺんから白く輝くような花をたくさん垂れる姿は、糸を引くように落水する白滝さながら。渋谷英之住職は「今年もよく咲いた。まるでナイアガラの滝のようだ」と見入った。
同寺は鎌倉時代に時宗の僧である呑海(遊行上人4世)が開いた。地元には呑海が突き立てたつえが根付いて白い花を咲かせたという伝説が残り、同寺の白フジは旧藤沢町がフジを「町の花」とするきっかけになったとされる。
町花発祥の地とされる同寺の近くには大正時代に建てられた白フジの由来を刻んだ石碑があり、本堂に碑文を書き写した額も飾られている。渋谷住職は「旧藤沢町の町の花フジは紫ではなく、白であると伝えたい」と、白フジに寄せる思いを語った。