花巻

特殊詐欺被害が増加 4月末現在で5件 高齢女性らターゲット 家族、警察に相談を 花巻署

岩手県警花巻署=花巻市下小舟渡

 花巻市内で特殊詐欺の被害が増加している。花巻署によると、2020年の被害認知件数(4月末現在)は5件と県全体の20件の4分の1を占め、管内で昨年1年間で発生した3件を既に上回った。5件ともキャッシュカードをだまし取る手口で、同署は65歳以上の高齢者に対する周知に力を入れ、被害撲滅を目指す。

 管内では2月中旬から4月上旬にかけて特殊詐欺事件の発生が相次ぎ、高齢女性らが被害に遭った。いずれも警察官や市職員をかたる男から電話があり、金融機関名や口座番号、暗証番号などを聞かれたという。

 その後、金融機関や市役所の職員を名乗る男が実際に家を訪れ、持参した封筒に「キャッシュカードを入れ、印鑑を押して封をしてほしい」と指示。封筒は置いて帰るが、家人が印鑑を用意する間に別の封筒とすり替えており、カードを持ち去られたことに気付いたときには既に現金が引き出されているという手口だ。中には約380万円を引き落とされる被害もあった。

 こうしたキャッシュカード詐欺盗は県内の他地域でも被害や予兆電話が多発しており、同署の大野志織生活安全課長は「以前の『振り込め』ではなく直接対面する形で、日中の高齢者が狙われている。キャッシュカード、マイナンバー、暗証番号、口座番号、通帳などのキーワードが出たら詐欺を疑ってほしい。これらを『教えない』『渡さない』ことを徹底し、すぐに家族や警察に相談してもらいたい」と警鐘を鳴らす。

 このほか、全国的には新型コロナウイルスの騒動に便乗し、一方的にマスクを送り付けて高額な料金を請求する悪質商法や、給付金10万円の手続きを装う不審メールなども確認されているといい、同署では手口の広報を強化するなどして、合わせて注意を呼び掛ける。

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